“女子大生マネ”が敗退に涙 初出場を支えた愛工大名電の「山さん」が駆けた3年間
第98回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦が首都圏8会場で行われた。NACK5スタジアム大宮では愛工大名電(愛知)が筑陽学園(福岡)に0-1で敗れた。初勝利は逃したが、堂々の選手権初出場。快挙を支えた“女子大生マネージャー”がいた。
チーム支えた山下マネージャー、高校時代はダンス部、タメ口で選手と壁作らず
第98回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦が首都圏8会場で行われた。NACK5スタジアム大宮では愛工大名電(愛知)が筑陽学園(福岡)に0-1で敗れた。初勝利は逃したが、堂々の選手権初出場。快挙を支えた“女子大生マネージャー”がいた。
最初で最後の選手権が終わった。試合終了のホイッスルを、山下真歩マネージャーはベンチで聞いた。選手とともに応援団に挨拶。自然と涙があふれ出た。
「選手たちは終わった瞬間、私に『すみません』と言ってきたけど、そういう言葉はいらなくて……。試合も悪いところはなかった。選手たちはよくやってくれたなって思います」。目を赤らめながらも、気丈に笑顔で話した。
高校時代はダンス部だった。しかし、引退した高3の12月からマネージャーになった。愛知工業大学に進学後も「就職活動までは、愛工大名電に力を注ごう」とスポーツマネジメントを学びながら、3年に渡って可能な限りチームを支えた。雑務に加え、モチベーション動画作成、SNSでの広報活動、更にはメンタルケアに努めた。選手からは親しみを込めて「山さん」と呼ばれ、お互いにタメ口で接する。
「選手に寄り添えるマネージャーになりたかった。敬語とか一切なしで、友達、弟みたいな接し方をしてくれる。先生に言えないことでも気軽に言ってくれるような存在になりたいと思っていた」。壁を作る敬語は不要だった。