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「僕はロングスローだけではない」 東山MF松橋啓太、冷静さが導いた殊勲の技あり弾

第101回全国高校サッカー選手権は7日に国立競技場で準決勝が行われ、第2試合では東山(京都)が1-1からPK戦4-2で前回準優勝の大津(熊本)を下して初の決勝進出を決めた。前半を0-1で折り返した東山に同点弾が生まれたのは、後半18分。右コーナーキックをニアサイドで相手が弾いた球がふわりと浮かんでファーサイドへ伸びると、落下点に走り込んだMF松橋啓太(3年)が右足のワンタッチシュートと見せかけて、前方へボールをコントロール。落ち着いて右足でシュートを蹴り込み、ボールは相手に当たりながらもネットを揺らした。「少し浮いていて難しいボールだったので、1回トラップしてみたら前が空いていたので、自分を信じてシュートを打ったら入った。アイデアが浮かんで、やってみた」(松橋)というフェイントで相手の動きが止まり、フリーでシュートを打つことができた。

殊勲の同点ゴールを決めた東山MF松橋啓太【写真:徳原隆元】
殊勲の同点ゴールを決めた東山MF松橋啓太【写真:徳原隆元】

東山が大津をPK戦の末に破り初の決勝進出

 第101回全国高校サッカー選手権は7日に国立競技場で準決勝が行われ、第2試合では東山(京都)が1-1からPK戦4-2で前回準優勝の大津(熊本)を下して初の決勝進出を決めた。前半を0-1で折り返した東山に同点弾が生まれたのは、後半18分。右コーナーキックをニアサイドで相手が弾いた球がふわりと浮かんでファーサイドへ伸びると、落下点に走り込んだMF松橋啓太(3年)が右足のワンタッチシュートと見せかけて、前方へボールをコントロール。落ち着いて右足でシュートを蹴り込み、ボールは相手に当たりながらもネットを揺らした。「少し浮いていて難しいボールだったので、1回トラップしてみたら前が空いていたので、自分を信じてシュートを打ったら入った。アイデアが浮かんで、やってみた」(松橋)というフェイントで相手の動きが止まり、フリーでシュートを打つことができた。

 福重良一監督は、松橋の働きについて「持ち味の(パス)さばきは、立ち上がりは少し焦っていたかなという思いはある。ゴールに直結するパスばかりを狙っていた。ただ、途中から冷静になり出して、(パスを)つなぐ部分で彼が起点になっていた。同点ゴールは本当に冷静に、相手をはがしてシュートを打った。一番、最高のプレーを今日見せてくれた」と高く評価した。

 PK戦では4番手で登場した松橋。決勝進出を決める一撃をゴール右に決めると、2本のシュートストップに成功したGK佐藤瑞起(3年)に飛びつき喜んだ。

 東山は前回大会で、優勝した青森山田(青森)に準々決勝で善戦するも1-2と敗戦。下級生が多いチームで、トップレベルの戦いで悔しい思いを味わってから、この1年を積み重ねてきた。松橋も青森山田戦を経験した1人。プロに進んだ松木玖生(FC東京)、宇野禅斗(FC町田ゼルビア)という相手のダブルボランチに刺激を受け、高みを目指してきた。

 今大会で松橋とダブルボランチを組むMF真田蓮司(3年)は、ここまで2得点1アシスト。松橋は「蓮司が2得点しているなか、僕は何もしていなくて、悔しい思いがあった。1点でも、という気持ちがあった」と刺激を受けていた。松橋にとって、真田は相棒だが、目標でもあった。中学時代、ガンバ大阪ジュニアユース門真で試合に出られなかった松橋は、ユースに昇格できずに東山へ進学。センターバックでもプレーしていたが、ボランチに定着してからは真田を目標に努力を積んできた。「蓮司の存在は、僕の成長につながっている」と認める、高め合う存在だ。

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