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実況も「スーパー!」絶叫のミドル弾 岡山学芸館・岡本温叶、快挙の裏に左足の猛特訓

大事な場面でコントロールをミスした選手が、なぜ鮮やかなゴールを決められたのか――。第101回全国高校サッカー選手権は7日に国立競技場で準決勝が行われ、第1試合では岡山学芸館(岡山)が3-3の同点からPK戦4-1で神村学園(鹿児島)を破り、初の決勝進出を決めた。プロ内定選手2名を筆頭に年代別日本代表選手を多く抱える神村学園に2度の勝ち越しを許す苦しい展開になったが、2-3から実況アナウンサーが思わず「スーパーーー!」と叫んだ劇的な同点弾で、決勝進出の可能性を手繰り寄せた。

左足で1得点1アシストの活躍を見せた岡山学芸館MF岡本温叶(左)【写真:徳原隆元】
左足で1得点1アシストの活躍を見せた岡山学芸館MF岡本温叶(左)【写真:徳原隆元】

岡山学芸館が神村学園との死闘を制して初の決勝進出

 大事な場面でコントロールをミスした選手が、なぜ鮮やかなゴールを決められたのか――。第101回全国高校サッカー選手権は7日に国立競技場で準決勝が行われ、第1試合では岡山学芸館(岡山)が3-3の同点からPK戦4-1で神村学園(鹿児島)を破り、初の決勝進出を決めた。プロ内定選手2名を筆頭に年代別日本代表選手を多く抱える神村学園に2度の勝ち越しを許す苦しい展開になったが、2-3から実況アナウンサーが思わず「スーパーーー!」と叫んだ劇的な同点弾で、決勝進出の可能性を手繰り寄せた。

 相手に再びリードを許した4分後、後半28分に岡山学芸館の3点目は生まれた。左サイドからのカウンター攻撃。FW今井拓人(3年)が相手を引きつけながら前進して右サイドへパス。フリーで上がってきた右MF岡本温叶(3年)が左足で触ったボールは大きくバウンド。2タッチ目でシュートを打つことはできなかった。神村学園はすかさず2人が戻り、岡本がゴール前に侵入するコースを塞いだ。

 大チャンスがふいになるかと思われたが、岡本は後ろに戻るドリブルで相手から離れると、左足でファーサイドから内側へ曲がる軌道のシュートを放つ。縦への侵入を防いでいた相手選手がブラインドになり、GKは反応できず。3-3の同点に追いつく同点弾となった。岡本は「斜め後ろにトラップしても、自分はシュートを打てる自信があったので思い切って振り切りました」と手応えを語った。

 両足を器用に使える岡本ならではのゴールだった。右足でしか蹴れない選手なら、相手が待ち構える縦に勝負しなければシュートは打てなかった。

 元々は右利き。小学生の頃は、利き足でプレーする選手だったという。しかし、ハジャスFCに所属した中学時代、中盤の中央で起用されるうち、両サイドへパスを配球するには両足を使えるほうが良いと感じ、「シュートもクロスも、右足と全部同じように蹴れるように、ひたすら練習した。今では左足のシュートのほうが自信がある」と言うまでに個人練習で左足を強化してきた。1日100本近く左足を蹴り込み、中学2年生になる頃には「逆足」の意識がなくなっていたという。

 ゴール前は、自由にプレーできる時間が最も短いエリア。そこで致命的なコントロールミスをしたにもかかわらず、シュートの選択肢が残されていたのは、努力の賜物だ。岡本は「あそこからのシュートは、練習から何百本も蹴ってきて自信を持っているが、試合ではあまりできていなかった。本当に決めたいという気持ちが強く、決められて良かった」と笑顔を見せた。

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