少数精鋭でも“出番の少ない選手”は生まれる 異色の高校が大所帯の部活を目指す理由
海外クラブとの最大の違いは「3年間、選手が入れ替わらないこと」
「これはJクラブの監督経験者も指摘していたことですが、本当にプロになる覚悟を持ってアカデミーに入ってくる選手が少ない。また大半のクラブでは、中学や高校単位で3年間の在籍が保証されるので、そこにいられるだけで満足したり、途中から良い大学への進学を考え始める選手もいたりして、それを直接話す親御さんも少なくないそうです。それはダメならシーズン途中でも選手たちが入れ替わっていく、海外のクラブとの最大の違いだと思います」(上船総監督)
相生学院高校では、元アイルランド代表のジェリー・ペイトン氏が監督、清水エスパルスなどで監督経験を持つゼムノビッチ・ズドラブコ氏がコーチを務め、前出のエンゲルス氏が常々、上船総監督の相談役になっている。
出身国には、日本のように必要以上に大量の選手を抱えるクラブは存在しない。だが上船総監督が理由を説明すると、誰もが「それは素晴らしいアイデアだ」と賛同した。
(第2回へ続く)
(加部 究 / Kiwamu Kabe)