日大ラグビー部が求める主体性 WHYとHOWを提示する菊谷新HCの「新しい風」に期待
小学生もトップも指導スタンスは変わらず「WHYとHOWを提示しながら」
チームに「主体性」を根付かせることを求めるなら、菊谷新HCは適任だ。自身が主宰するBUラグビーアカデミーでは、ラグビーの細かなスキルを手取り足取り教えることはない。最も重要視するのは、練習中に頻繁に行われるチームトークの時間。ゲーム形式の練習では、各対戦が終わるごとに子どもたちだけでチームトークを開き、上手くいった点、上手くいかなかった点、次はどうしたら上手くいくか、などについて話し合う。コーチは行き詰まった時にナビゲートはするが、最初から答えを与えることはない。
U20や高校日本代表のコーチングスタッフとして活動し、サンウルブズでもスポットコーチを務めた菊谷新HCは、相手が小学生であれトップ選手であれ、コーチとしてのスタンスは変えない。「サンウルブスの選手にも小学生と同じメニューをやってもらい、結果として得られた効果は変わらなかった。(主体性が身につく)環境設定をできるのが僕の強み。練習は一つ一つ、WHY(なぜ)とHOW(どうやって)の部分を提示しながらやっていきたいと思います」とビジョンを話す。
3月1日からの本格始動に先駆け、昨年度の主将と副将、そして部員数名にヒアリング調査を行ったという菊谷新HC。その中で選手自身も主体性を持つ必要性を感じていると知ると同時に、選手が発言しやすい環境や目的を理解した練習への取り組みの重要性も感じたという。