“3軍”から全国屈指のDFへ 準Vの青森山田・箱崎拓が示した“這い上がる条件”
第98回全国高校サッカー選手権の決勝が13日、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、前回王者の青森山田(青森)は静岡学園(静岡)に2-3で敗れた。史上9校目の連覇はならなかったが、2年連続で決勝進出という快挙。強豪の守備を支えたのは、Cチームから這い上がった男だった。
入学当初はCチーム、守備の要として青森山田の準Vに貢献
第98回全国高校サッカー選手権の決勝が13日、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、前回王者の青森山田(青森)は静岡学園(静岡)に2-3で敗れた。史上9校目の連覇はならなかったが、2年連続で決勝進出という快挙。強豪の守備を支えたのは、Cチームから這い上がった男だった。
2点リードからまさかの逆転負け。静岡学園の勢いは、王者の守備力を上回ってきた。DF箱崎拓(3年)は「勝ちたかった。少しのスキというのがこのような結果につながってしまった。徹底したことの詰めの甘さが出てしまったかなと思う」とうなだれた。
箱崎は昨年12月、世代最高峰リーグとされる高円宮杯U18プレミアリーグファイナルの名古屋グランパスU18戦での勝利に貢献し、MVPを獲得した実力者だ。だが、ここまで順風満帆な高校サッカー生活だったわけではない。青森山田には、A、B、C1、C2、C3など複数のカテゴリーがあり、Aチームの選手が“1軍”に当たる。入学後、実力を認められた選手が上位カテゴリーに引き抜かれる中、箱崎は6月のカテゴリー分けでC1に分類された。
「C2からのスタートだと思っていたので、C1に上がれたのはうれしかったけど、やってみたらもっと上に行きたいという意欲が出てきた。『自分はこのままではいけないんだ』とか、不安やもっとできるという思いがあった」
180人を超える部員がいる青森山田で、CチームからAチームに昇格するのは、並大抵のことではない。今大会のスタメンでも、Cチームから這い上がったのは箱崎のみ。ベンチ入りメンバーでもMF得能草生(3年)を含め2人だけだった。箱崎は1年秋にBチームに昇格し、2年生で公式戦にも出場するようになったが、それはほとんどがCチームの試合。3年生になるまで「実質はCチームというので2年間」だったという。