「日本人の選手はすごく綺麗です」 世界一と評された中野友加里のドーナツスピン論
中野さんが考える、美しいドーナツスピンに最も必要なこと
――ドーナツスピンに大事なポイントがあるとしたら何なのでしょうか。
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「一番はキャメル姿勢だと思います。最初のキャメル姿勢が綺麗でなかったり、エッジに乗れていなくて失速したりしていると、ドーナツに移行することができません。なので、キャメル姿勢の入り方が一番重要になってくるかなと思います。それはジャンプにも通ずるものがあると思います。全ては入り方でほぼ決まってくる」
――もし、体の部位で何か大事なポイントがあるとしたらどこでしょうか。
「肩回りと背中は柔らかくないとドーナツスピンの形を作ることができないので、肩回りと背筋ですね。背筋はあった方がいいかなと思います」
――ドーナツスピンが代名詞だった中野さんはドーナツスピンをより美しくするために、今言った肩回りや背筋の強化をしていたのでしょうか。
「スケーターは基本的にジャンプを日々やるので背筋力や脚力がもともと強いのですが、それに見合った腹筋や上半身の筋力がバランスよくついていないことがあります。そのため、陸上トレーニングでは懸垂をやり、柔軟体操は毎日休まず365日、練習がない日も行っていました。こればかりは毎日やらないと硬くなってしまいますので、柔軟体操は毎日やった方がいいですね」
――美しいドーナツスピンをするために何が最も必要だと思いますか。
「やっぱり一番は速さですよね。速度が求められると思います。ただ単に美しいドーナツスピンやっても大きな加点はいただけないと思うので、それに伴う速さがないと加点はもらえないと思います。柔軟性を伴う美しいドーナツスピンと回転速度の維持、さらにそれが加速できたら一層美しいと思います」
――ドーナツスピンの美しいスケーターはバイウル以外にいたのでしょうか。
「たくさんいます。特に私は日本人の選手はすごく綺麗だと思うんです。荒川静香さんはすごく柔軟性が高いので綺麗です。浅田真央さんは常に新しいことをやっていて、手の位置などもすごく研究されていたので綺麗だなと思います。最近は男子選手も当たり前にやるようになってきたので、時代は変わったなと感じています」
(辛 仁夏 / Synn Yinha)