フィギュア演技中に登場する「パンケーキ」とは スピンの種類と違いを中野友加里が解説
「模倣」から入ることが大切なフィギュアスケート
――見ただけで真似て、実際に自分でできるものなのでしょうか。
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「スケーターはおそらく私だけではなくて、皆さんすごく模倣が上手なんです。本当に上手だと思ったのが高橋大輔選手。人のプログラムを真似て踊るのが彼は上手で抜きん出ていたと思うくらい。皆さん模倣から入ることが多いと思うので、例えばジャンプの基礎にしてもそうですが、スピンのポジションも人から見て学ぶことがすごく大きな部分としてあります。勉強しつつ、目で見て吸収してそれを実践する力がすごくついていると思います」
――中野さんもバイウルさんの全てのスピンを真似て、特にドーナツスピンっていうのは実際にリンクでやってみたわけですね。
「そうですね。いきなりリンクの上で、もちろん最初は回れなかったと思いますが」
――記憶にある範囲で、いつ頃にドーナツスピンを習得できたのでしょうか。
「小学4年生とか、ノービスに上がるくらいだったと思います。ただ、全日本ノービス選手権に出た時にはもうプログラムの中に組み込んで演技していました。その時はまだ私自身、ジャンプの方が好きだったので、特にスピンの方に力を入れていたわけではなく、スピンも練習をしなければいけないからやっていたという形でした」
――まだスピンには目覚めてなかった感じですか?
「全く(目覚めていない)ですね。ジャンプの方が練習量も圧倒的に多かったです。ただ、スピンのポジションを他の選手と違うものをやってみたかった。まだそんなにキャッチフットやY字スピン、それこそドーナツスピンをやっている選手が多かったわけではなかったので、そういう珍しいものをやってみたかった気持ちはありました」
――実際、ドーナツスピン習得は何歳の時からスタートして、何歳のときに習得したと言えるのでしょうか。
「リレハンメル五輪が1994年ですか。なので、9歳くらいで(バイウルを)見たので、小学校3、4年生くらいからやり始めて、5年生の時にはプログラムの中に入れられるくらいの出来になっていたということですね」
――ドーナツスピンというのは実際、難しいスピンだったのでしょうか。
「すごく難しいスピンだったと思います。当時はまだやっている選手が少なかったと思います」
(17日掲載の後編へ続く)
(辛 仁夏 / Synn Yinha)