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フィギュアスケートのジャンプの見分け方 初心者でも6種類がわかりやすくなる方法

中野さんが挙げる美しいジャンプを跳ぶための要素は「スピード」【写真:荒川祐史】
中野さんが挙げる美しいジャンプを跳ぶための要素は「スピード」【写真:荒川祐史】

美しいジャンプに必要な要素は「スピード」

――本当にジャンプがそこにあったんですか、みたいなプログラムでしたね。

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「そうですね、もうそういうことなんですよね。結局、まるで何かを忘れてしまうぐらい、『ああ、今ジャンプを跳んだ』とかではなく、なんか思わず見惚れて、書くのも忘れてしまうくらい見入ってしまうジャンプですね。あとは伊藤みどりさんが一番インパクトに残っているかなと思います。自分が一緒に練習してきた選手でもありますし、先輩でもありますし、間近で見ていて、素晴らしいお手本でした」

――それはアクセルだけではなく、ジャンプそのものということでしょうか。

「他のジャンプも素晴らしかったですね。4回転を練習しながらフェンスにぶつかっていく人なんてそういないので、あの勢いは本当にすごいです」

――美しいジャンプを跳ぶために必要な要素というのは何なのでしょうか。

「やはり、佐藤信夫先生が言った『スピードに勝る魅力はない』かなと。私もいつも言われていましたが、スピードを落とさずに最後まで、ランディングまで繋がっているジャンプ、それが美しいジャンプだと思います。高さ、幅は練習してもいきなり出せるものでもなく、もともと持っているものでもあります。例えば、幅を魅力とする選手がいきなり高さを出せるかといえばそうではなく、そのような方は飛距離と美しさで勝負している選手なので、人それぞれの特徴があると思うんです。

 ただ、その中でスピードを落とさずに最後まで流れを崩さずに行けるジャンプはやはり美しいジャンプ。そして、最初の話に何度も戻りますが、基礎が徹底されているジャンプ、お手本のようなジャンプが美しいジャンプと言われる。そして、なおかつプログラムの中に組み込んでいっても邪魔にならないし、悪目立ちしないのが美しいジャンプになると思います」

――スピードを落とさないジャンプを跳ぶためには何が必要だと思いますか。

「やはりタイミングですね。今は構えが長いと減点されてしまうというくらい結構シビアな時代になっているので、そういう選手も減ってきましたが、練習から失速せずに恐れないで勢いよく跳んでいくことを、練習からしていかないといけないと思います。本番だけスピードを出して勢い良く跳べるものでもないので、常日頃からスピードを落とさずに練習していく。そして降りた後のランディングの姿勢まで長く保つことで美しく見えるのではないかと思います。ただ、跳んだだけですぐ終わってしまうと、(見る側が)『もう(要素が)終わっちゃった』という印象になってしまうので。ランディング姿勢はなるべく長く見せた方が、より綺麗に見えると私自身は現役時代から思いました」

――スピードというのはスケーティングのスピードでよいのでしょうか。

「そうです。おっしゃる通りです」

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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