プロップ(PR)の役割とは ラグビー・ポジション解説
プロップ(PR)とは、背番号1、3をつけている選手で、ポジショングループのひとつであるフロントローを、フッカー(HO)とともに形成します。「支柱」を意味するプロップ(Prop)の名前の通り、最前線で相手フォワードと直接組み合う、スクラムの要です。
日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」は2019年ワールドカップ(W杯)日本大会で史上初の8強進出。国内でも「リーグ・ワン」が2022年に開幕するなど注目を集めるラグビー。日本は2023年W杯フランス大会にも10大会連続出場します。
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この記事では、ラグビーって1チーム何人でプレーするんだっけ……といった初心者向けの基礎知識をお届け。ラグビーは1チーム15人でプレーされ、各選手がそれぞれ異なるポジションで、異なる役割を務めます。ポジションは8人のフォワード(FW)と、7人のバックス(BK)に大きく分けられます。
FWは、フロントロー、セカンドロー、バックローに分けられ、BKは、ハーフバック、スリークオーターバック、フルバックに区別できます。それぞれ体格的な特徴が異なり、各ポジションには固有の名称があります。ここでは、最前線のプロップ(PR)について解説します。
プロップ(PR)とは
プロップ(PR)とは、背番号1、3をつけている選手で、ポジショングループのひとつであるフロントローを、フッカー(HO)とともに形成します。「支柱」を意味するプロップ(Prop)の名前の通り、最前線で相手フォワードと直接組み合う、スクラムの要です。
プロップの役割
スクラムの際に最前線で相手と組み合い、モールでも相手を押し込むことが求められます。また、ラインアウトではジャンパーを持ち上げるリフターの役割も担います。さらに、スクラムなどのセットプレー以外のフィールドプレーでもボールのハンドリング能力が高ければ、攻撃でチームの武器になります。
左側の1番プロップをルースヘッドプロップ(片方の肩のみでスクラムを組むため)、右側の3番プロップをタイトヘッドプロップ(両肩でスクラムを組むため)といいます。相手に挟まれるタイトヘッドプロップには非常に大きな圧力がかかります。
プロップの特徴
スクラム職人のプロップは、チームで最も体重の重い選手が務めること多く、相手の圧力に対抗できるパワーと耐久力が求められます。ラインアウトで2メートルを超えるような選手を持ち上げるリフターを務めるのも、チーム随一の力持ちだからです。
巨漢が並ぶプロップですが、特にスクラムの際に左右を相手に挟まれるタイトヘッドプロップは、ルースヘッドプロップよりも大きい選手が務めることが多く、中には体重120キロを超える選手もいます。
日本代表のプロップ
2023年W杯には、稲垣啓太選手、クレイグ・ミラー選手、シオネ・ハラシリ選手、具智元選手、垣永真之介選手、ヴァル・アサエリ愛選手が選ばれました。
2019年大会では、「笑わない男」としてもW杯で脚光を浴びた稲垣選手は、アイルランド代表など世界屈指のフォワード陣を相手に一歩も引かなかった、日本を代表するプロップです。スコットランド代表戦では、代表歴7年目にして初のトライを記録。敗れた南アフリカ代表戦後の円陣での男泣きも、ファンの感動を呼びました。
日本代表のタイトヘッドプロップとしてW杯8強入りに貢献した具選手は、「具くん」の愛称で親しまれる韓国出身のフッカーです。スコットランド代表戦では負傷による途中交代の際に、無念の涙を流し話題を呼びました。また、120キロを超える大男ながら、笑顔が素敵な“癒し系”としても注目を集めました。
世界のプロップ
オールブラックスのフロントローで、2019年W杯でも存在感を発揮したジョー・ムーディ選手。身長188センチ、体重120キロの巨漢プロップは、フィールド内での活躍もさることながら、フィールド外でも焼肉2キロを平らげる衝撃的な大食いで話題を集めました。
エディー・ジョーンズ監督率いるイングランド代表のルースヘッドプロップとして、準優勝に貢献したジョー・マーラー選手。ラグビーの母国屈指のプロップは決勝戦前、バスから降りてホテル入りする際に、巨大な旅行用枕を装着して周りが見えず、カメラクルーにぶつかる“笑撃アクシデント”でもファンの話題を呼びました。
(THE ANSWER編集部)