サッカーアジア杯

　サッカー・アジアカップ（杯）のグループステージが14日、カタールのアルトゥマーマで行われ、世界ランク17位の日本は同94位のベトナムに4-2で白星発進した。敗れはしたものの、ベトナムは前半に一時1-2とリードするなど健闘。米スポーツ専門局「ESPN」は「敗戦したが、ベトナムにとっては楽天的な要素は多い」と名将フィリップ・トルシエ監督率いるベトナムの戦いぶりも評価した。

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　前半11分にMF南野拓実にゴールを許したベトナムだが、16分に19歳FWグエン・ディン・バクが体勢を崩しながらもバックヘッドで同点ゴール。さらに33分には、FKの折り返しをGK鈴木彩艶が弾き切れなかったところに、FWファム・トゥアン・ハイが反応。2-1と一時逆転に成功した。試合には結局敗れたが、「ESPN」は「ベトナムにとって勇敢な敗北は良い兆候だ」などと見出しでも称えていた。

　優勝候補の日本との対戦。「大会最高のチーム相手に真剣勝負を演じた」「この無名でありながら恐れ知らずのベトナムはこの舞台で実力を発揮。若い選手たちの才能がどれだけ優れているかを見せつけた」と、ベトナムの若い選手たちが輝きを放った点にも記事では注目した。

　かつて日本代表監督としてアジア杯制覇、ワールドカップ初の決勝トーナメント進出などを成し遂げているトルシエ監督の心情についても「古巣を相手に勝利はつかめなかったものの、ベトナムのトルシエ監督はパフォーマンスに活気づけられたはずだ」と推測した。

　日本相手の戦いぶりで、グループリーグ突破が「彼らの能力の範疇にあると示している」とも評価。インドネシア、イラクと同組だが、ベトナム選手たちが本来持つ実力とトルシエ監督の“魔術”とも恐れられた選手起用で、勝ち抜く力を海外メディアにも感じさせていた。