平井コーチと12年の二人三脚 ラーメンに救われた青木玲緒樹の決意「五輪の決勝に」
五輪を超える規模で2年に1度行われる水泳の“世界一決定戦”、世界水泳(テレビ朝日系で独占中継)が7月12日に開幕する。なかでも、注目を集めるのは競泳だ。金メダルを獲得すれば、1年後の東京五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」は競泳開幕の30日前からカウントダウン連載を行い、出場25選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。開幕まであと29日の第2回は、女子100メートル平泳ぎ、女子メドレーリレーの青木玲緒樹(れおな・ミズノ)が登場。12年の二人三脚で結ばれた恩師との絆に迫る。
「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと29日―女子100m平泳ぎ、メドレーリレー青木玲緒樹
五輪を超える規模で2年に1度行われる水泳の“世界一決定戦”、世界水泳(テレビ朝日系で独占中継)が7月12日に開幕する。なかでも、注目を集めるのは競泳だ。金メダルを獲得すれば、1年後の東京五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」は競泳開幕の30日前からカウントダウン連載を行い、出場25選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。開幕まであと29日の第2回は、女子100メートル平泳ぎ、女子メドレーリレーの青木玲緒樹(れおな・ミズノ)が登場。12年の二人三脚で結ばれた恩師との絆に迫る。
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24歳の青木には、「成長した」と言わせたい人がいる。日本代表の平井伯昌ヘッドコーチだ。
出会いは小学5年生。全国大会で優勝したことで、当時の担当コーチからトップレベルの選手が集まる高地合宿に呼ばれた。きついメニューを終えると、なかなか食事がのどを通らない。「ちゃんと食べろよ!」。残ったご飯を見て、喝を入れたのが平井コーチだった。
中学から本格的に指導を受け始め、12年もの間、師弟関係が続いている。平井コーチにとっては、平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介氏に次ぐ長さ。青木は「あっという間ですよね。離れている方が逆に違和感がある。毎日会っているので、お父さんとかより長くいると思う」と明かす。
毎年4月に行われる日本選手権は、2017年から100メートルと200メートルで連覇。しかし、今年は2種目とも派遣標準記録を切ることができず、世界水泳行きを決められなかった。100メートル決勝は前半を1位で折り返したが、後半に大失速。1分07秒98で5位に終わった。200メートルも準決勝で2分28秒04で決勝進出さえかなわなかった。
「自信の持てる練習をできていなくて、レースでもそういった面が出てしまった。本当に出し切れなくて、何とも言えない気持ちというか、立ち直るのにすごい時間がかかりました」
涙に暮れる帰り道。見かねた平井コーチからラーメン屋に誘われた。失意の中で出されたのは野菜たっぷりの味噌ラーメン。「全部食べろよ!」。先生の厳しさは12年前と変わらない。「普通に食べるよりおいしく感じた。心が弱っているときなので。つらい時に気持ちを救ってくれたラーメン。またつらい時があったら、この味噌ラーメンを見て元気を出します」。優しさも身に染みた。スマホに保存した食べる前のラーメンの写真は“お守り”となっている。
だが、簡単に気持ちが前を向いたわけではない。その後も、失速した日本選手権100メートル決勝の映像は見返せない。「見ちゃったら頭の片隅に残っちゃうんじゃないか」。見たとしても、追い抜かれる前の75メートルまで。「練習行けません」と朝6時に平井コーチに電話した時もあった。