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引退後、街の人の「凄く太ったね」に傷つき 悪意なき体型いじり、私は「ぱんぱんの太ももを愛したい」――フィギュア・村上佳菜子「女性アスリートと体重管理」

取材中、村上さんは常に明るい笑顔で自身の経験を語ってくれた【写真:荒川祐史】
取材中、村上さんは常に明るい笑顔で自身の経験を語ってくれた【写真:荒川祐史】

今回のインタビューに込めた想い「今こういう状態ですって正直に見てもらいたい」

 1時間近くに及んだ取材。「自分の体型のことをこんなに話したのは初めてです」と村上さん。こうしたインタビューは、アスリートの成功体験から学ぶという文脈になりやすいが、「私自身、まだまだ乗り越えられてないものがある」と言い、彼女らしい言葉でそれを否定する。

「私も悩んだ時は何かを乗り越えた人より、今乗り越えようとしている人の話が聞きたい。乗り越えたからこそ気付かせてあげられることもあるけど、同じようなレベルで悩んでいる人もいる。『私も今こういう状態です』って、正直に皆さんに見てもらって、何か響いて一緒に頑張ろうという気持ちになってくれたらいいなと思います」

 今年1月に婚約を公表し、ポジティブな思考を持つ夫の考えに救われることも多い。11月には30代を迎える。女性として、さらに明るい未来を思い描いている。

「(加齢を)レベルアップと思えば、年齢を重ねていくのも苦じゃない。体型のこともいろんな経験をしたから生まれたポジティブな想いがあるように、年齢も同じこと。楽しんでいろんなことを経験できたらいい。精神年齢が『3歳』と周りに言われるくらいの人間なので(笑)、『私が29歳!?』って一番驚いているんだから、そのままでいたいです。自分が一番、自分の年齢に驚いていたいですね」

 あるがままの自分を愛し、村上佳菜子さんは今、ヘルシーで笑顔に満ちた道を、自分らしく歩んでいる。

(「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」3日目はオンラインイベントを開催)

【フィギュアスケート・村上佳菜子さんの「人生で救われた、私のつながり」】

「私にとっては、山田満知子先生(コーチ)です。先生のもとに最初から最後までいたので。諦めない、初心を忘れないというモットーや、先生のもとにいたからつながった縁がたくさんある。先生と生徒を超えて、それ以上の家族みたいな関係。結婚する時もお父さんお母さんより先生にOKをもらわなきゃと思うくらい(笑)。それくらい自分にとっては大事な人だし、今も何かあったら最初に相談する。今は毎日連絡するようなことはないけど、何かあれば先生とごはんを食べたり体調を気にしたり、そういうつながりをずっと持つことができて感謝しています。あとは(愛犬の)ワンちゃんも私にとっては本当に救われる存在で、これも大切にしているつながりです」

 ※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「あなたが人生で救われたつながり」を聞き、発信しています。

■村上 佳菜子 / Kanako Murakami

 1994年11月7日生まれ。愛知・名古屋市出身。姉の影響で3歳からスケートを始める。トリプルアクセルを跳んだジュニア時代から頭角を現し、15歳だった2009年-10年シーズンにジュニアGPファイナル、世界ジュニア選手権優勝。19歳だった13-14年シーズンに全日本選手権で2位に入り、四大陸選手権優勝を経て、ソチ五輪に出場した(12位)。16-17年シーズン限りで22歳で現役引退。引退後はアイスショーに出演する傍ら、バラエティ番組などタレントとしても活躍する。今年1月に一般男性との婚約を発表した。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)


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