[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「練習あるし、仕事あるし」で後回しにされる生理 Vリーグ・東レで実践されていた月経の決まり事――バレーボール・迫田さおり「女性アスリートと月経」

迫田さんは生理に限らず、悩みを話せる人の大切さを語る【写真:片岡祥】
迫田さんは生理に限らず、悩みを話せる人の大切さを語る【写真:片岡祥】

生理に限らず、悩みを話せる人の大切さ「誰かを支える、誰かに支えられることが大事」

 そのためには、生理中以外も、モヤモヤした気持ちを溜め込まないこと。その日、その時に思い付いたことでいいので、少しでもモヤモヤした気持ちを払ってほしい、と迫田さん。

「寝たいから寝るでもいいし、ご飯をいっぱい食べるでもいい。推し活や女子会で発散するのもいいし、逆に一人で音楽を聞いたり、部屋を暗くしてボーっとしたりもアリです。あ、空を見よう、というのもいいですよね。要するに、自分に正直になるって感じです。

 それを、生理中にまとめてバーンとするのではなく、1日5分でもいいから、日常生活でちょこちょこと続ける。その積み重ねで、1年後、2年後、10年後、20年後、心も体も、いい状態に保てるんじゃないかな」

 そして、一人で戦わないこと。家族でも友達でもいい。生理の問題に限らず、悩みを話せる人に話すことの大切さにも触れた。

「人には『病院に行きなよ』と言う割に、自分のこととなると、面倒くさい気持ちが勝ち、足が重くなりますよね。だからこそ、『病院に行きなよ』と言ってくれる人がいることに意味があるんです。

 身近に『病院に行きなよ』と言ってくれる人、何でも相談できる人がいるといないとでは、心や体の状態は全然、違ってくる。誰かを支える、誰かに支えられることが、大事じゃないかな」

(「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」7日目はフィンスイミング・松田志保が登場)

【バレーボール・迫田さおりさんの「人生で救われた、私のつながり」】

「私は1人では何もできない人間なので、人との繋がりで救われたことしかありません。欲がなく、ネガティブ思考の私を『あなたはもっとできるよ』と導いてくれたのは、ファンやスタッフ、そしてチームメイトと、バレーボールで生まれた繋がりです。人との繋がりがなければ、バレーボール選手としての可能性や人としての力などを知らずに、この世からいなくなっていたと思います。私の知らない私を知ることができたのも、今こうして、皆さんにお話をさせていただけるのも、人との繋がりに恵まれたからこそだと思います」

 ※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「あなたが人生で救われたつながり」を聞き、発信しています。

■迫田 さおり / Saori Sakoda

 1987年12月18日生まれ。鹿児島・鹿児島市出身。小学3年でバレーボールを始め、鹿児島西高(現・明桜館高)卒業後、2006年にVリーグの東レアローズに入団。 2010年4月から日本代表に。2012年ロンドン五輪では、28年ぶりのメダル獲得に貢献。2016年リオデジャネイロ五輪にも出場し、5位入賞。2017年5月30日に東レアローズを退団し、現役引退。現在はスポーツ文化人として、バレーボール主要大会の解説を始め、テレビ、トークショー、バレーボールクリニックなど、さまざまな活動を行う。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


W-ANS ACADEMY

1 2 3

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集