「練習あるし、仕事あるし」で後回しにされる生理 Vリーグ・東レで実践されていた月経の決まり事――バレーボール・迫田さおり「女性アスリートと月経」
「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「“つながり”がつくる、私たちのニューノーマル」をテーマに1日から8日までアスリートがインタビューに登場する。さまざまな体験をしてきたアスリートといま悩みや課題を抱えている読者をつなぎ、未来に向けたメッセージを届ける。5日目はロンドン五輪バレーボール銅メダリストの迫田さおりさんが登場。テーマは「女性アスリートと月経」。後編では、Vリーグ・東レアローズ時代にチームで実践されていた決まり事を明かし、次世代へのアドバイスも送った。(取材・文=長島 恭子)
「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」5日目 女性アスリートと月経/迫田さおりインタビュー後編
「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「“つながり”がつくる、私たちのニューノーマル」をテーマに1日から8日までアスリートがインタビューに登場する。さまざまな体験をしてきたアスリートといま悩みや課題を抱えている読者をつなぎ、未来に向けたメッセージを届ける。5日目はロンドン五輪バレーボール銅メダリストの迫田さおりさんが登場。テーマは「女性アスリートと月経」。後編では、Vリーグ・東レアローズ時代にチームで実践されていた決まり事を明かし、次世代へのアドバイスも送った。(取材・文=長島 恭子)
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2017年、東レアローズ、そして日本代表で活躍した迫田さおりさんは、29歳で競技引退。現在は地元・鹿児島県を拠点に、メディアやイベント等を通じ、バレーボールやスポーツの魅力を発信している。
迫田さんは現役中、立ち上がれないほどの強い生理痛に苦しむこともあったが、今は痛みもだいぶ穏やかになったという。また、年に一度、必ず婦人科の検査を受診。年齢による変化も重なり、自己管理の大切さをより感じるようになった。
「引退後、環境がガラリと変わったせいか、生理の周期や量などが変わりました。そのとき、『うわっ、今までと違う』とちょっと不安になり、検査は定期的に受けるようにしています。
選手時代は毎日、体を動かし、食事もしっかり食べ、規則正しい生活リズムで過ごしていましたが、今は違います。健康上、ちょっと不安なことがあっても、すぐに聞けるトレーナーさんもいないですしね」
年を重ねたからこそ、気づいたことがたくさんある。迫田さんは、若い時ほど生理のことを深く考えなかったと振り返る。
「まず、生理はみんなあるのが当然、そして、痛みがあるのも当然だと考えていました。また、生理前にイライラしたり、甘いものを無性に食べたくなったりしても、生理を言い訳にしたくなかった。生理なんかに負けない! と思っていましたね。ただ、そんな風に思えたのは、深刻な問題に至らなかったからかもしれません」
現役時代、チームメイト間の日常会話のなかで、生理に関する情報交換もしていた。どんな痛みや不調があるのか、どう対処するのか。その時、多くのバレーボール選手たちは、ひどい生理痛を抱えていることを知った。
「体の痛みはもちろん、精神的にかなり大変な思いをしている選手や、ピルの副作用に苦しむ人もいました。なかには、体は生理中の状態なのに経血が出ないという方もいました。学生時代は生理って面倒くさいと思っていましたが、いろいろな話を聞くうちに、生理がちゃんと来るのは、ありがたいことだと思うようになりましたね」