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「セクハラと思われるかと…」 朝原宣治、男性側の視点で考える女性アスリートの指導と月経

大学3年生だった1993年に出場した陸上100メートルで10秒19の日本新記録(当時)をマークし、日本人初の10秒1台を叩き出し、1997年には日本人初の10秒0台となる10秒08を記録。五輪には4度出場し、2008年北京五輪の4×100メートルリレーで銀メダル、世界選手権では走り幅跳びでの代表も含め6度出場した。長年にわたり第一線で活躍を続け、日本の短距離を牽引してきたのが朝原宣治氏だ。

「スポーツを通して考えるみんなの月経」のシンポジウムに登壇した朝原宣治氏(中央)。UNIVAS副会長の有森裕子氏(左)らと意見交換を行った【写真:大学スポーツ協会提供】
「スポーツを通して考えるみんなの月経」のシンポジウムに登壇した朝原宣治氏(中央)。UNIVAS副会長の有森裕子氏(左)らと意見交換を行った【写真:大学スポーツ協会提供】

朝原宣治氏インタビュー、UNIVASのシンポジウムに登壇して得た学び

 大学3年生だった1993年に出場した陸上100メートルで10秒19の日本新記録(当時)をマークし、日本人初の10秒1台を叩き出し、1997年には日本人初の10秒0台となる10秒08を記録。五輪には4度出場し、2008年北京五輪の4×100メートルリレーで銀メダル、世界選手権では走り幅跳びでの代表も含め6度出場した。長年にわたり第一線で活躍を続け、日本の短距離を牽引してきたのが朝原宣治氏だ。

 そんな陸上界のレジェンドが、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)と大阪大学が開催したシンポジウム「スポーツを通して考えるみんなの月経」に登壇。イベントに出席し、男性指導者の立場として得た学びについて話を聞いた。(取材・文=松原 孝臣)

 ◇ ◇ ◇

 5月1日、シンポジウム「大学スポーツありもり会議」が開催された。UNIVASの副会長を務める有森裕子氏が大学スポーツに関わる学生を対象に毎年行っているもので、今年度は「スポーツを通して考えるみんなの月経」と題して実施された。

 このシンポジウムに朝原氏も登壇している。

「偶然、その前に奥さんがMCをやっていたシンポジウムを聴きに行っていたんです。私自身、女性アスリートを直接指導するような経験はなかったのですが、そのシンポジウムにはトップアスリートの方も来られていて、女性アスリート特有の悩みであったり調整の難しさをあらためて知りました。(朝原氏が陸上部副部長を務める)大阪ガスにも(短距離で活躍する)壹岐あいこが入りましたし、今後のためにもやっぱり知識を持っていないといけないなと思っています」

「奥さん」というのは、アーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)の五輪メダリストである奥野史子氏のことだ。朝原氏は2002年に結婚している。

「つき合っていたり結婚している時間は長いので、それを考えると今さらというか、遅いんですけど……」

 だからこそ、「機会をいただけて良かったと思います」と続ける。

 学ぶことも多かったというシンポジウム「スポーツを通して考えるみんなの月経」を経た今、朝原氏はこう語る。

「日本は特に月経の話などがあまりオープンにされていないところがありますが、今後女性アスリートの活躍が社会全体を活性化するということもあって、すごく大事なテーマだなと思いました」

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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