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日本はまだ少数派も…選んだ「卵子凍結」 34歳、出産の選択を残して競技生活に集中 費用は「45万円くらい」

世界の過酷なマラソンレースに挑み続ける異色のプロランナーがいる。尾藤朋美さん、34歳。その脚ひとつで人生を切り開いてきたキャリアに迫る。全3回の第3回は「女性としてのライフプラン」。保育士から転身し、世界で最も過酷と言われるサハラ砂漠マラソン250キロや世界すべての大陸を7日間で回り毎日42.195キロを走る世界7大陸マラソンを完走。競技を続ける中で女性としてある選択をした。(取材・文=佐藤 俊)

プロランナーとして世界を飛び回って活躍する尾藤朋美さん【写真:本人提供】
プロランナーとして世界を飛び回って活躍する尾藤朋美さん【写真:本人提供】

世界の過酷なマラソンレースに挑むプロランナー・尾藤朋美さんの異色キャリア第3回

 世界の過酷なマラソンレースに挑み続ける異色のプロランナーがいる。尾藤朋美さん、34歳。その脚ひとつで人生を切り開いてきたキャリアに迫る。全3回の第3回は「女性としてのライフプラン」。保育士から転身し、世界で最も過酷と言われるサハラ砂漠マラソン250キロや世界すべての大陸を7日間で回り毎日42.195キロを走る世界7大陸マラソンを完走。競技を続ける中で女性としてある選択をした。(取材・文=佐藤 俊)

本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】

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 世界7大陸マラソンやサハラ砂漠250キロなどステージレースに参戦し、世界で戦う尾藤朋美さん。自分の人生を懸けての挑戦は今もつづいているが、マラソンを始め、アスリートの女性選手の中にはパフォーマンスを最大限に発揮するために、ピルなどを飲用し、生理日を遅らせるなどして管理している人もいる。尾藤さんが参戦するステージレースは過酷ゆえに、身体への影響が心配されるが、何か対応をしていたのだろうか。

「私は、ピルで生理を調整することは一切していないです。レースに生理日が重なりそうになったら、その時はその時だよねっていうタイプです。基本的に自分の体の中に余計なものを入れたくないので、サプリメントもほとんど摂らないですし、コロナ禍の時もワクチンを打たないとモロッコに入国できないので仕方なく打ったぐらいです。幸い、生理はそれほど重くないので、あえてコントロールする必要もないんです」

 23年のサハラ砂漠250キロのレース前、尾藤さんは、モロッコに入る直前のフランスで生理が始まった。生理3日目がレースの初日になった。

「あー始まっちゃったなぁと思ったんですけど、経血量が少なかったんです。なんか終わったぐらいの感じで、こんなパターンがあるんだって思いました。持参した生理用品はレース中に生理になった子にあげました。でも、レースが終わった最終日、砂漠から町に戻る途中にもう1回、生理が始まったんです。薬とか使用していなかったんですけど、奇跡といいますか、知らないうちに体がコントロールされていたんだなと思いました」

 レース中での生理は、パフォーマンスに何か大きな影響を与えたのだろうか。

「私の場合、生理が重く、腹痛や腰痛で走れなくなるとかもなく、パフォーマンスに大きな影響はなかったです。レース中は体調が最悪だったので、もう生理どころじゃなかったですね(苦笑)」

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佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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