「あそこなら野球をできる」代表エースが目指した“韓国の東大” 女子だからできた文武両道…変えたい母国の弱点

野球も受験勉強も100%でこなせた理由「このままじゃ何もならない」
この年、韓国初のドーム球場となるコチョクスカイドームが開場した。2024年に、ドジャースが米大リーグの開幕戦を戦った場所だ。開場記念のエキシビションが、ソウル大野球部と女子韓国代表の試合。キム・ラギョンも、代表の一員としてこの試合に参加した。
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打ち上げの席で、ソウル大の選手から「ラギョンもぜひ、うちに入ってよ」と誘われた。ソウル大のマネジャーだった女子選手が、右翼を守り試合に出たのも刺激となった。「夢ができた」と思ったが、ソウル大は受験戦争の激しい韓国でも、トップの超難関大。決して簡単な道ではない。まして、中学校の成績も真ん中より下だったと振り返る。
無謀にも見えた夢を叶えたのは、徹底した時間管理だった。夕方5時まで高校で授業に出席し、その後はジムで体を1時間半ほど動かすと英語と数学の予備校へ通った。家に帰ると日付が変わっているのはザラで、睡眠時間は4~5時間というハードな日々。週末には韓国代表の練習や合宿があり、その場でも勉強するために小さな机と椅子を持ち込んだ。送迎の車中でも、暗記ものを中心に勉強を続けた。片道3時間は、積み重ねれば大きかったが、うまく時間を使えるまでには葛藤もあった。
「自分が練習している間も、他の子は勉強しているんじゃないかと思ったら、練習に集中できなかった。でもある時『このままじゃ何もならない』と思ったんです。それからは練習するときは練習、勉強は終わってからときっちり分けるようになりました。本当に頭がいい人の話を聞いたら、自分は努力と時間で勝負しないといけないと思ったんです。時間は本当に大事でしたね」
一方で、トレーニングを怠らなかったのも、受験生活を完走できた要因だという。「体力すなわち実力と考えたんです。勉強にも野球にもつながると」。学校では短い休み時間も無駄にしなかった。分からないところは先生にすぐ質問し、疑問を解消していった。量も質も、小さな積み重ねから生まれたものだった。
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