東京五輪女子バスケ主将のあまり知らない顔 髙田真希が30歳で“選手兼社長”になった理由
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。1日目は「女性アスリートとキャリア」。銀メダルを獲得した東京五輪女子バスケットボール日本代表の主将・デンソーアイリス所属の髙田真希が登場する。
「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」1日目 テーマは「女性アスリートとキャリア」前編
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。1日目は「女性アスリートとキャリア」。銀メダルを獲得した東京五輪女子バスケットボール日本代表の主将・デンソーアイリス所属の髙田真希が登場する。
東京五輪の活躍で一躍、その名を知られる存在になった髙田だが、実はあまり知られていない顔がある。それが「社長」。現役選手にして、30歳だった2020年に「株式会社TRUE HOPE」を創業した。前編では、日本の女性アスリートでは異例の仕事と競技を両立するデュアルキャリアを目指し、起業を決断した理由を明かした。また、社名の「TRUE HOPE」に込めた熱い想いも語った。(取材・文=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
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現役バスケットボール選手にして、「株式会社TRUE HOPE」の代表取締役。
東京五輪では主将として日本代表を銀メダルへと導いた32歳・髙田真希(デンソーアイリス)は、日本の女性アスリートとして極めて異例なデュアルキャリアの道を歩むことで注目を集める。だが、髙田自身に何か特別なことをしているという意識はない。バスケットボールが大好き。バスケットボールを盛り上げたい。その気持ちに従っただけだった。
「現役生活を送る中で、試合会場に行っても満員にならないこともあって『どうしたらこんなに素晴らしいバスケットボールの魅力をもっともっとたくさんの人に知ってもらえるんだろう?』と考えるようになりました。それが会社を立ち上げる4、5年前のこと。ファンの方々と触れ合う機会を増やしたいという想いもありました。始めは『どうすればいいだろう』という漠然としていたものが、徐々に『これをやったら面白いかも』と具体的になり、だったら新しく会社を作ろうとなったのが2019年。そこから1年ほどで会社を立ち上げました」
当初はファンとの交流や競技の魅力を伝えるイベントなど、所属するデンソーの力を借りて開催することもあったが、スピード感を持って自分のアイデアを形にしたいと考えた時、自分で会社を作ることが最善の選択肢に思えた。
環境も味方した。愛知・桜花学園高を卒業後に入社したデンソーも、快く髙田の想いを後押しし、30歳だった2020年4月に「株式会社TRUE HOPE」が誕生した。
「子どもたちに夢や希望を与える」「スポーツの魅力を伝える」「アスリートのセカンドキャリア」という3つのビジョンを掲げる「TRUE HOPE」。最初に手掛けたのは、オンラインサロン「髙田真希女子アスリート社長室」の開設だ。ファンからの質問や悩み相談に答えたり、月2回のインスタライブ配信を行ったり、交流を深める場となっている。
コロナ禍で全国中学体育大会やインターハイが開催されなかった2020年には、中学3年生と高校3年生を対象にZoomを使った「チームミーティング」を開催。最後の夏が消えてしまった学生アスリートたちに、かけがえのない想い出をプレゼントした。その他にも、愛知・知多市の名産・佐布里梅を使った「梅シロップ」プロジェクトに乗り出したり、バスケットボール版ストラックアウトのような器具をオリジナル制作したり、ひらめいたアイデアに次々と息を吹き込んでいる。
「自分もやっていて楽しいですし、自分の発信を通じてたくさんの人を笑顔にしていきたい。ジャンルを問わず面白いことをどんどん実現していきたいなと思います」