「私もいつかまた会社で働きたい」 中野友加里が2児の母として考える育児とキャリア
「子供にフィギュアをやってほしい気持ちは?」に対する答えは…
――どんな支えがあったのでしょうか?
「いつ辞めるかという時期の見極めについてです。私は時々優柔不断になってしまうので。すごく好きな仕事で、長く続けてきた仕事。希望した会社で働かせてもらって辞めるのがもったいない、お世話になった方に申し訳なさもある。なので、足踏みしたんです。『でも、それならいつまで経ってもズルズルと引きずってしまうよ』と言われ、決断することができました」
――母になって5年が経ちますが、ご自身のお母さんだったり、周りの方だったり、中野さんの理想の母像はありますか?
「私が子供の頃は、母親が手を上げることもまだ珍しくない時代でした。なおかつ、私はスケートを習っていたので、スポーツをやっていると、余計にぶつかることが多かったです。今はもう手を上げることが許されない時代になっている。本当は菩薩のよう子供に対して温かい目で見守るのが理想ですが、現実問題はそうはいきません。
幼稚園の先生のように上手な声がけができればいいなと思います。なので、理想としては幼稚園の先生。私は感情的な言葉になってしまうことがあるので、その分だけ褒めてあげてはいますが、もっと話し方や伝え方も学びたいと思っています。先生方は接し方が上手なので、(両親とは異なる)第三者の目として見られる良さもあると感じています」
――子育てをやっていて、喜びを感じる瞬間はどんな場面ですか?
「やっぱり笑っている時ですね。子供が笑わなくなったら家庭にとって良くないこと。家の中でも、いつもゲラゲラ笑っているので、そういう当たり前の日常がうれしいです。今、こんなご時世なので外にも出かけられず、子供も私自身もストレスがたまりがちですが、笑顔が見られ、健康で過ごせればうれしいです」
――お子さんに対する深い愛情を感じますが、母としてどんな人に育ってほしいという願いを持っていますか?
「他者への思いやりのある、感謝の気持ちを忘れずに常識を持った人に育ってほしい。すごく当たり前ですが、当たり前のことほど本当に難しいと感じます」
――よく聞かれると思いますが、お子さんにフィギュアスケートをやってほしい気持ちはありませんか?
「私は個人競技だったので、協調性というものを知らないまま、競技人生を過ごしてきました。なので、できればチームスポーツをやってほしいと思っています。仲間意識を持つことができ、夢中になれる競技を自分で見つけ、巡り会ってくれたらいいなと。親としては、その手助けをしたいです。長男は水泳が好きなので、好きなことから見つけていくのもいいと思います」