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産前の飛行機移動も「いつまでなら大丈夫か」 妊婦として体験した“ママアスリートの課題”

妊婦として体験した“ママアスリートの課題”とは【写真:荒川祐史】
妊婦として体験した“ママアスリートの課題”とは【写真:荒川祐史】

妊婦として体験した“ママアスリートの課題”

「いろんな方のサポートを受けて、出産予定日の3日前までトレーニングできました。それに先生に勧められた無痛分娩にしてみて体力の回復が早かったような気がしています。体重も5キロくらいしか増えなくて(出産後)病院の管理された食事を1週間摂るだけですぐに戻っていきましたね」

 産後3週間目に入ってから軽い運動も可能になった。そして1か月経って医師の許可が下りたことで本格的なトレーニングをやっていくようになる。大きな問題もなく、トレーニングの再開にこぎつけることができたのだ。

 医師、連盟、JISS、競技仲間、そして家族……周りの人々の協力があったからこそ。阿部は繰り返して感謝の言葉を述べる。そして後進のために自分の経験をきちんとフィードバックしていくことも大切だと考えている。

「課題というほどではないのですが、今は、一般の妊婦さんに対するマニュアルにプラスアルファして、という感じだとは思います。もちろん妊婦の安全が一番ではあるのですが、いつまでなら大丈夫なのかとか可能性を探ることがもう少しあってもいいのかなって個人的には思いました」

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二宮 寿朗

1972年生まれ、愛媛県出身。日本大学法学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2006年に退社後、「Number」編集部を経て独立した。サッカーをはじめ格闘技やボクシング、ラグビーなどを追い、インタビューでは取材対象者と信頼関係を築きながら内面に鋭く迫る。著書に『松田直樹を忘れない』(三栄書房)、『中村俊輔 サッカー覚書』(文藝春秋、共著)、『鉄人の思考法~1980年生まれ戦い続けるアスリート』(集英社)、『ベイスターズ再建録』(双葉社)などがある。

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