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39歳まで走り、月経に困らなかった陸上・福士加代子 自然と実践していた「重要な基本」

須永教授は月経に異常があったときの危機管理を訴えた【写真:中戸川知世】
須永教授は月経に異常があったときの危機管理を訴えた【写真:中戸川知世】

無月経は“頑張っている証し”ではなく「病気」の状態

 トークは福士さんの周囲の経験にも及んだ。月経に関する大きな悩みはなかったが、選手や後輩から相談されたことはあったという。

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「後輩に疲労骨折が多くなった選手がいて、その原因として月経が随分と止まっていたからじゃないか、ということがありました。それで婦人科で診てもらい、月経を誘発させるために女性ホルモンの注射を打ってもらったり、薬やパッチなどを使って月経を起こした選手は多かったですね」

 3食きちんと食事を摂っていたものの、月経が止まってしまった。その後に起きた疲労骨折。ハイパフォーマンスを求められるトップアスリートだけに、練習量が影響を与えているのではないか。須永先生はその因果関係について「ある」と解説した。「少しずつ言葉として普及してきた印象がありますが、『女性アスリートの3主徴』というものがあります」。その内容はこうだ。

【女性アスリートの3主徴】

1.利用可能エネルギー不足。食べている量が足りない、もしくは食べているが運動しすぎてエネルギーが足りない状態。

2.視床下部性無月経。脳にある視床下部から月経の命令が下されるが、エネルギーが不足している、ストレス過多、急激な体重減少があると、コントロール不能になり月経が止まってしまう状態。

3.骨粗しょう症。月経が止まるとエネルギー不足により骨形成の材料が入ってこない。また女性ホルモンは骨の代謝に関係するため、無月経は骨量の低下が進行し、疲労骨折しやすくなる状態。

 説明を聞いた福士さんは「そういえば、痩せないといけない時期は食べていなかったので、そういったときは月経がこなかった時期も少しあった。そうなると、『あれ、体に何か悪いことしたかな』と考える機会になった。それでちょっと考えようかなと。すると、『ああ、やばいことしてたかもな』と思い当たる節があった」と経験談を語った。

 これを受け、須永教授も「月経に異常があったときに『やばい』と感じてもらえたらすごくいい。それで食事や運動量を見返してもらえたらいいですね。逆に怖いのは、月経が止まると頑張っている証拠だと感じることです。そういう考え方はやめていただきたい」と訴えた。

 さらに「無月経は病気です」と語気を強める須永教授。「病気の状態でトレーニングをやったとしても100%の力は発揮できませんし、体にダメージを与え続けることになってしまいます。病気だからこそ、まずはしっかりと立て直すことが大事です」と語った。

 骨の形成には10代が最も重要とされる。そのため、福士さんのように長く現役で活躍し、良いパフォーマンスを発揮し続けるためには、無月経にならずに競技を続けることも非常に大事だ。福士さん自身も、長く現役を続けられた要因として「体への大きなダメージがなかったこと」と分析する。

「仮に(ダメージが)あったとしても休むことで、ダメージをなくすことができた。無理していたんだなと感じたときに休むと、意外とストレスを溜め込んでいたことに気づくこともできた。なので、普段からストレスなく楽しく過ごしていたら、気が付いたら長く続けられた。これからの人生の方が長いので、骨がボロボロになる前に、健康的に、もうちょっとできたんじゃない? と思われるくらいで引退する方が、私は良いと思う」

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