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女性アスリートにユニフォームがくれるもの 体操選手として杉原愛子が注ぐレオタード愛

杉原の中では「レオタードを着られる楽しみ」と「演技ができる楽しみ」の両方があると語った【写真:松橋晶子】
杉原の中では「レオタードを着られる楽しみ」と「演技ができる楽しみ」の両方があると語った【写真:松橋晶子】

選手にとってのレオタードは単なるユニフォームを越えた存在に

 杉原にとって、初めてのフルオーダーだったが、なぜそんなチャレンジをしたのか。それは、「すごく自信のなかった大会で、反省する大会になった」と語る苦い記憶が関係している。

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 2020年12月10日、コロナ禍で延期になっていた全日本個人総合選手権兼全日本種目別選手権が開幕したが、この大会で杉原は8位に終わった。

「そこから自分を見つめ直して、昨年4月15日に行われた全日本個人総合で初めて着たのが、このレオタードでした。これまでも自信がある大会では『早くレオタードを着たい』と思っていたけど、このときは違って。自信もすごくあったし、何よりこのレオタードを着て早く演技を披露したいという気持ちが強かった。イメージ通りにデザインされたお気に入りのレオタードを着られる楽しみと演技ができる楽しみ。その両方がありました」

 その後、5月のNHK杯で見事、杉原は2大会連続での五輪代表入りを決めた。杉原は言う。

「このレオタードを着て五輪代表が決まったし、次の6月の全日本種目別選手権ではゆかで優勝することができました。そのときもこのレオタードを着ていたので、すごく思い出深いです」

 私たちが気に入った服を購入すると外に出掛けたくなるように、選手にとってのレオタードは、単なるユニフォームという枠を越えた存在なのかもしれない。

(後編に続く)

■杉原 愛子 / Aiko Sugihara

 1999年9月19日生まれ、大阪府出身。姉の影響で4歳から体操を始める。2015年5月のNHK杯体操選手権女子個人総合で初優勝し、同年7月のアジア体操競技選手権では安定した演技で団体総合優勝に貢献、個人総合でも初優勝した。翌年のリオ五輪(団体4位入賞)、コロナ禍の影響で1年延期となった2021年東京五輪(団体5位入賞)にも出場した。2017年に開催された世界選手権の平均台で披露した、足を持って2回ターンする技が「スギハラ」と命名。東京五輪の代表選考会を兼ねた大会で着用した真っ赤なレオタードが、ゆかで使用された「007&NA」の曲とともに話題になった。

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(THE ANSWER編集部・出口 夏奈子)


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