燃え尽き症候群の予防にも必要 女子選手のコンディションの指標になる3つの数値
1週間で分かる「普段の自分」の心拍数
基準となるのは安静時の心拍数で、脈拍から算出できます。計り方は、
1)朝、目覚めたら布団に寝たままの状態で、一方の手首の親指の延長線上あたり(橈骨動脈)に、もう一方の手の人差し指、中指、薬指をつける。
2)指先に脈を感じたら15秒間、「ドクドク」と何回、脈を打つかを数える。その回数を4倍にした数が安静時の心拍数(平均は1分間に70拍程度)。
試しに今日から1週間、脈拍数を観察してみてください。計り続けると普段の自分の心拍数がわかってきます。
そして、ゆっくり眠れた翌朝や、「疲れているな」と感じる日などに、心拍数に注目を。「自分が感じている調子」と「数値」の両方から、その日のコンディションをみていくことが重要です。
注意したいのは、普段よりも5拍以上高い数値が出た日。自覚がなかったとしても、高い数値は体が疲れている、という信号です。練習で無理をすれば、ケガをする恐れが高くなります。また、数値から疲れが見て取れる日は、たとえ思うように動けなくても、落ち込んだり、できない自分を責めたりしないでほしいのです。
体と向き合い、「疲れは気のせいではない」と自分で気づくこと、理解することは、長い目でみればオーバートレーニングや、燃え尽き症候群の予防にもなります。これは、トップアスリートでなくても、スポーツを長く、楽しく続けるうえで、とても大切なことなのです。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)