18歳で摂食障害を患った鈴木明子 「食べ物に罪悪感が消えない」女子学生に送った言葉
「食べ物に罪悪感を消せなくて苦しんでいる」女子学生に寄り添った答え
「今、私は体重を増やすために競技を休んでいます。少しでも増えることに抵抗があるのか、日に日に食べられなくなり、休む前より食べられなくなっています。原因が分からず、体重も減って困っています。鈴木さんは食べることが怖い時、どうしていましたか?」
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鈴木さんは「食べなければいけないことは分かっているのに、食べられないもの」と心情を理解し、「もし、限られていても食べられるものがあるなら、それを自分で認めて無理せず、少しずつ摂取していくこと」とアドバイスした。その上で、アスリート目線で、こう付け加えた。
「競技に復帰したいなら体重を落とすことを目標にするのではなく、出したい記録やパフォーマンスを思い描いて、それに向けて体を作る意識を持つこと」「なぜこの競技をしたいのかもう一度考える。そのために何をすべきかを考えると、食べることだけの執着が消えていくのかなと思います」
また「今、食べ物に罪悪感を消せなくて苦しんでいる」という女子学生の悩みに対しては「私自身も罪悪感がすごく大きかった」と振り返る。「食べ物には罪はないし、本来、栄養を与えてくれるもの。そこを全く理解せず、これは食べていいもの、ダメなものと決めてしまった」という。
「だから、カロリーが低ければいいとか、栄養を考えずに数字だけに執着しまっていた。食べ物は私の体を作ってくれているもの。そういう考え方に変えてみると、今はこれを食べたら体が喜ぶだろうな、トレーニングで疲れたら使った分のエネルギーを補わなきゃという風に意識が向く。栄養のメカニズムを理解することでも、罪悪感じゃない方向に(感情が)向かうのではないかと思います」
1時間にわたり、自身の経験と意見を明かした鈴木さん。終了後に取材に応じ、イベントについて振り返った。
現在、「THE ANSWER」の連載で自身の経験をもとにしたアスリートの健康問題を発信しているが「今スポーツを頑張っている女性と、それをサポートする方に生の声を届けることで、よりリアルに感じてもらえるのではないかと思って参加しました」と話し、「摂食障害も生理も、選手としてどうなりたいかの目標を見失うと対処法が見えてこない。自分の体にもっともっと興味を持っていくことが大切」と訴えた。
質問では摂食障害についてリアルな悩みが届いた。「やっぱり(悩んでいる人は)多いんだなと感じた」と鈴木さん。「こんなに切実に悩みを抱えていても、どうしたらいいか分からない。それは私自身も感じたこと。私がこういう活動や発信をするのは、そういう経験をする選手を一人でも減らしたい想いから。でも、実際にはまだ悩んでいる選手がいるんだとリアルに感じることができました」と言う。
そして、最後に「今、壁にぶつかっているかもしれないけど……」と言い、悩みを抱える女性アスリートに寄り添った。
「私の経験で何か悩みをひも解いていけるきっかけになってくれたら。そのさなかにいる時は客観的な視点が持てず、『きつい、つらい』ばかりに感情が向いて、一歩引いて自分を見ることができなくなってしまう。少し視点を変えて、どうして行くべきかの道しるべになれたらいいなと思います」
(THE ANSWER編集部)