[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

練習を頑張る女子部活生こそ要注意 年末年始くらい「罪悪感」を持たずに休んで

「たった1週間」の休みに不安、罪悪感を抱く学生がいるのも事実

 今年はコロナ禍により、うちの大学の部活動も、トレーニングや練習量が少なくなった時期がありました。学生たちの変化をみると、例えば、オーバートレーニングやエネルギー不足が原因だった選手は、練習量が落ちたことで、コンディションの状態がよくなったケースもあります。また、今まで生理が止まっていた選手に、生理が来たということもありました。ですから、ときには「今は休む時期」と割り切ることも必要です。

本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】

 しかし、「たった1週間」でも休むことが不安だったり、罪悪感を抱いたりする学生がいるのも事実です。

 筋肉に電気信号を送り、運動時の体の動きを司る運動神経は、可塑性(かそせい)の高い組織です。可塑性が高いと運動をする・しないの影響を受けやすいので、1週間休むと身体の感覚が変わるということはあり得るでしょう。でも、可塑性が高いということは、感覚を取り戻すにもそう時間はかからないともいえます。ですから、365日のうちの1週間程度、「体を休める」ということに罪悪感を持たないで欲しいのです。

 もちろん、常にアスリートとしての自覚を持つことは大事です。やたらに気を抜いて、暴飲暴食に走ることは避けてほしい。しかし、「休息」と「さぼる」は違います。

 長いシーズンでは、1回1回の練習、試合でよいパフォーマンスを出すためにも、「休息」は必要です。ピリオダイゼーションに則りシーズンを戦うトップアスリートたちは、「休息」もトレーニングプログラムにしっかり組み込んでいます。

 普段から激しいトレーニングが続き、いつもヘトヘトになっている選手ほど、年末年始の休みぐらい、ゆっくり過ごすことも大事。ケガをしっかり治したり、体調を万全に整えたりするよい機会だと思い、いつもよりご馳走を食べて、しっかり休んでくださいね。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


W-ANS ACADEMY

1 2

須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集