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「布団から出られない」激しい生理痛 女子選手も悩む「月経困難症」の2つの原因

スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第5回は「生理の悩みで断トツに多い生理痛」について。

第5回は「生理の悩みで断トツに多い生理痛」について
第5回は「生理の悩みで断トツに多い生理痛」について

連載「女性アスリートのカラダの学校」第5回―「生理の悩みで断トツに多い生理痛」

 スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第5回は「生理の悩みで断トツに多い生理痛」について。

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 生理に関する悩みのなかで、断トツに多いものといえば生理痛。中学・高校生を対象とした調査によると、「勉強・運動に影響を与える生理の症状があるか」という質問に対し、「ない」と答えた人はわずか2割。8割の人が何らかの症状を抱え、そのうち約7割の人が具体的な症状として「生理痛」を挙げました(NPO法人日本子宮内膜症啓発会議 平成28年度スポーツ庁委託事業「子供の体力向上課題対策プロジェクト」における女子生徒計608人のアンケート調査結果より)。また、私が体育大学の女子学生1711人を対象に実施したアンケートでも、「生理痛がある」と回答した割合は78%にものぼります。

 生理痛は「腰が重い」「腹部に膨満感がある」「下腹部が締め付けられるように痛い」というものから、「頭痛」「吐き気」など腹部とはまったく関係ないようなところに、症状が出る人もいます。また、痛みや不調の程度も人によって異なり、ほとんど気にならない人もいれば、「学校に行くのもツラい」「布団から起き上がれない」ほど、激しい痛みを抱える人もいます。

 後者のように日常生活もままならないほどの激しい生理痛。これを、「月経困難症」といいます。

 月経困難症には2種類あります。一つは「機能性月経困難症」といって、子宮の強い収縮が痛みの主な原因です。

 生理中は子宮の内側を覆う「子宮内膜」が剥がれ落ち、子宮の収縮によって血液とともに「経血」として体の外に排出されます。ところが子宮の収縮が強くなりすぎると痛みが発生。特に10代のうちは子宮口が狭くて固いため、経血を押し出す際、子宮の収縮が強くなることがあります。

 ほか、子宮や卵巣が未成熟である、冷えやストレスが強い、なども痛みの原因に。下腹部の強い痛みが特徴で、月経開始から1、2日目に痛みのピークが訪れます。

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須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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