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サッカー米国女子代表が全米で支持されるワケ 女性ファンを熱狂させるカリスマ性の正体

サッカー女子の国際親善大会「シービリーブス・カップ」で、米国代表が3戦全勝で優勝した。日本、イングランド、スペインによる4チーム総当たり戦の大会は3都市で3試合行われたが、米国女子代表(USWNT=United States Women’s National Soccer Team)の強さとともに、国民にどれだけ支持されているかを目の当たりにした。

日本を3-1で退け、3連勝で大会優勝を飾った米国女子代表(3月11日、テキサス州フリスコ)【写真:岡田弘太郎】
日本を3-1で退け、3連勝で大会優勝を飾った米国女子代表(3月11日、テキサス州フリスコ)【写真:岡田弘太郎】

米国女子代表の「強さ」の秘密 ファンの支持を集める“社会の代弁者”たち

 サッカー女子の国際親善大会「シービリーブス・カップ」で、米国代表が3戦全勝で優勝した。日本、イングランド、スペインによる4チーム総当たり戦の大会は3都市で3試合行われたが、米国女子代表(USWNT=United States Women’s National Soccer Team)の強さとともに、国民にどれだけ支持されているかを目の当たりにした。

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◇女性ファンを熱狂させるカリスマ性

 3試合のうち、ニュージャージー州とテキサス州の2試合で満員の観衆を集めた。若い女性たちがメッセージボードを掲げて声をあげ、毎試合後、多くのファンが会場に残って選手らを一目見ようと「出待ち」する姿が印象的だった。球場外でチームバスが通りかかっただけで悲鳴のような歓声をあげるファンの姿もあり、アイドル並みの人気だった。MLBやNBAでも全米ファンの目を釘付けにするスターは存在するが、USWNTへの反応は少し異なるように感じた。日本ほど女子プロスポーツの人気が高くないと言われる米国で、何故これ程まで絶大な支持を得ているのか。その理由は、ピッチ内にとどまらない戦いにあった。

◇男女の待遇の平等を求める戦い

 昨年3月、USWNTの28選手が米国サッカー連盟に対し、男子代表との賃金格差の是正を求める訴訟を起こした。カリスマ的存在のFWラピノーを中心に選手らもメディアやSNSを通して「イコール・ペイ(同等賃金)」を熱心に訴えた。

 女子ワールドカップ(W杯)フランス大会を制覇したことも手伝い、一気に社会的な関心が高まった。女性の社会進出が目立つ米社会でも、男女の賃金格差は依然大きな問題だ。企業の給与に関する情報などを調査する会社ペイスケール(Pay scale)によると、2019年度の男性1ドルの稼ぎに対する女性の稼ぎは79セントで、ヒスパニック系やアフリカ系米国人になるとさらに低くなる。教育水準が高いほど不平等な扱いを感じる比率も高くなる傾向にあるようだ。

 英ガーディアン紙の19年度調べによると、USWNTは過去4度ワールドカップを制覇し、世界ランキング1位であるにも関わらず、18年のW杯で予選敗退した男子代表と比べ、親善試合の最大ボーナスは半分程度に抑えられているという。良いパフォーマンスが報酬に反映されないというUSWNTの不満は、米社会に身を置く女性にとって身近な問題なのだ。

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