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「日本野球は本当に特殊」 五大陸12か国を渡り歩いた野球人・返田岳が行き着いた真実

野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕。侍ジャパンに大谷翔平投手(エンゼルス)ら豪華メンバーが集結し、日本は大いに盛り上がっている。一方で、世界の野球に目を向ければ、2024年パリ五輪は競技から除外。予選の出場国は、209か国だったカタール・ワールドカップ(W杯)に対し、WBCは28か国に留まるなど、競技の普及・振興、国際化における課題も少なくない。

南アフリカのリーグでチームメートとハイタッチする返田岳(中央)。背景にはケープタウンの象徴であるテーブルマウンテンに雲がかかっている【写真:本人提供】
南アフリカのリーグでチームメートとハイタッチする返田岳(中央)。背景にはケープタウンの象徴であるテーブルマウンテンに雲がかかっている【写真:本人提供】

連載「ベースボールの現在地」#9、五大陸制覇のベースボールマン・返田岳

 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕。侍ジャパンに大谷翔平投手(エンゼルス)ら豪華メンバーが集結し、日本は大いに盛り上がっている。一方で、世界の野球に目を向ければ、2024年パリ五輪は競技から除外。予選の出場国は、209か国だったカタール・ワールドカップ(W杯)に対し、WBCは28か国に留まるなど、競技の普及・振興、国際化における課題も少なくない。

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「THE ANSWER」ではWBC開催期間中「ベースボールの現在地」と題し、海外でプレー、普及活動してきた野球人の歩みや想いを連日発信。注目される数年に一度の機会だからこそ、世界の野球の今を知り、ともに未来を考えるきっかけを作る。第9回は、ユーラシア、オーストラリア、北・南アメリカ、そしてアフリカの五大陸、計12か国でプレーしてきた返田岳選手に海外野球の魅力を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

 ◇ ◇ ◇

「四大陸のベースボールマン」を名乗り、YouTubeやツイッターなどで情報を発信してきた返田だが、昨年10月、この肩書に“元”がついた。2022-23年冬のシーズンを南アフリカ・ケープタウンのチームで過ごすことが決定。未踏の地だったアフリカ大陸にも進出し、“四大陸制覇”が“五大陸制覇”に変わった。

「常に“夏”を追いかけて」北半球と南半球を行ったり来たり。2015年のドイツを皮切りに、スイス、オーストラリア、ベルギー、米国、プエルトリコ、メキシコ、アルゼンチン。一度日本の独立リーグに戻って、その後はドミニカ共和国、スウェーデン、そして南アフリカとプレーの場を変えてきた。

 山梨県出身。日本で野球を始め、言語も文化も異なる様々な国のグラウンドを渡り歩いてきた返田に、最も違いを感じた地域を聞いてみると意外な答えが返ってきた。12か国の中で「一番特殊」だと思ったのは、他でもない日本の野球だという。

 海外と日本の野球がいかに違うのか。その背景を紐解く前に、まずは返田の球歴を紹介したい。

 1988年生まれの返田は、駿台甲府高(山梨)から慶大に入学。高校までは主力だったが、強豪大の競争を勝ち抜くことはできず。3年時に学生コーチ転身を打診され、選手としての大学野球は終わりを告げた。残り2年はデータ戦略コーチとしてチームを支え、その後は同大大学院に進学。5年間選手としてプレーしない期間が続いたが、写真家を目指してスポーツの現場を訪れるようになると、プレーヤーとしての気持ちが再燃した。

 国内独立リーグのトライアウト受験を決意。練習しようと足を踏み入れたバッティングセンターで、偶然元ダイエー(現ソフトバンク)の養父鉄氏が運営する「ルーツ・ベースボールアカデミー」と出会った。今でもオフには訪れるというその野球教室で腕を磨き、2014年に大阪ゼロロクブルズに入団した。

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