中国野球は「何年後に日本に勝てそう?」 両国を知る真砂勇介が感じた後進国の将来性
真砂の見た大谷のスライダー「三塁側のベンチから投げてきたのかと」
先発の投手・大谷には、4回1安打5三振で無得点。それでも、トレーナー監督は「若いカウントから積極的に振っていこうと指示し、選手たちは果敢に実行してくれた。その姿勢は次につながる」とうなずく。その上で、「投手力の差が日本との差だと思います」と分析する。確かに、登板した6投手合計で17四死球(1死球)では、力負け以前に自滅だろう。さらに指揮官は「エラー0のクリーンゲームを目指していたが、3つのエラー(2失策と1暴投)があった」と反省した。
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真砂は4打数1安打で、大谷には2打席無安打1三振だった。「大谷のスライダーは、自分の体に当たるかと思いました。壁に当たって曲がってきたみたい。あるいは、三塁側のベンチから投げてきたのかと思いましたよ」と興奮気味。「打席に立てて幸せでした」とつぶやいた。そして「野球はちょっとしたミスでがらっと流れが変わります。流れを渡さない日本は強いと改めて思いました」と指摘した。
「エラーをなくし、今日のような試合を続けていけば、中国の未来は明るい」とはトレーナー監督。そこで真砂に、記者は「何年後に日本に勝てそうか?」と聞いてみた。すると、「それはわかりませんが、本当にいい選手は多いです。僕は彼らに教えるというより、自分の経験を伝えているだけですが、それを吸収しようという意欲を感じます。そういう場があれば、どんどん上手くなるのではないかと思います」と真剣なまなざしで答えてくれた。
米国や日本に比べると、野球後進国の中国。上手くなろう、強くなろうと熱い気持ちを持つチームの中心に、日本生まれの選手がいることは誇らしい。
(宮脇 広久 / Hirohisa Miyawaki)