ランニングで膝のお皿周りが痛くなる原因 走った後のルーティンに必要な3つのこと
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画『まずはコレ、やってみて!』」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回のテーマは「ランニングの膝の痛み」。「THE ANSWER」公式YouTubeチャンネルの動画では、中野トレーナーが提案する「膝痛を解消するストレッチ&マッサージ」を紹介しています。
「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画『まずはコレ、やってみて!』」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回のテーマは「ランニングの膝の痛み」。「THE ANSWER」公式YouTubeチャンネルの動画では、中野トレーナーが提案する「膝痛を解消するストレッチ&マッサージ」を紹介しています。
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秋は走るのに気持ち良く、健康作りやダイエット目的で走り始める方が多い季節です。また、今年はコロナ禍で中止されていた全国各地のマラソン大会もほぼ復活。市民ランナーの皆さんは、ワクワクした気持ちでいることと思います。
ランニングは習慣になり、距離も踏めるようになってくると、どんどん楽しくなってきます。一方、ケアを怠るとさまざまな原因により、体のどこかに痛みや違和感が現れる方も増えてきます。
ランニングの場合、特に多くみられるのは膝の痛みです。膝の障害は痛みの出る場所によっても異なりますが、「膝のお皿の上下が痛い」場合、膝周辺の腱が炎症を起こしている恐れがあります。これは「膝蓋腱炎」というスポーツ障害の一つ。別名「ジャンパーズニー」と言って、運動初心者からトップアスリートまで、非常に多くの方が悩まれる障害です。
多くの場合、趣味で走られている方が膝蓋腱炎を起こす要因は、太もも前面にある大腿四頭筋の柔軟性不足とケア不足にあります。そのメカニズムを簡単に説明しましょう。
筋肉は骨に付着していますが、付着部に近い部分は「筋肉」ではなく「腱」という組織になります。大腿四頭筋からつながる大腿四頭筋腱と、そこにつながる膝蓋骨腱は、膝のお皿(膝蓋骨)の上を通り、すねの骨(脛骨)に付着しています。
大腿四頭筋が硬くなると、膝頭を覆う大腿四頭筋腱、膝蓋腱が上にグッと引っ張られます。つまり大腿四頭筋の硬い人は、膝周りの腱に強いテンションがかかったまま走り続けるため、炎症を起こすのです。
さらに、大腿四頭筋を優位に使うフォームも、膝周辺の腱に負担をかけます。
トップランナーは体の真下か若干後方に前足部から着地し、後ろへ蹴り出す動作ができますが、多くの市民ランナーは疲れてくると、体の重心が後ろに移行。結果、体よりも前に着地し、脚だけを前に出す走り方になってきます。すると、大腿四頭筋を優位に使ってしまい、一歩一歩前に踏み出すたびに、強く膝周辺の腱が引っ張られてしまいます。
走った後、ケアを怠ると、疲労が蓄積した大腿四頭筋はますます硬くなります。ですから初心者ほど、ランニング後の大腿四頭筋や膝周囲の腱のケアをしっかりやっておくことが大切なのです。