「寝ても疲れが抜けない気がする」大人たち “深い睡眠”に変える、最も簡単な方法
有効なのは自律神経の調整、中野氏が推奨する「一番簡単な方法」は?
疲れを取るのも、食欲をコントロールするのも、最も大切なのが、質のいい睡眠、つまり深い睡眠です。そして、そのために自分でできることの一つが、体の緊張を取り除くことです。
暑さなどで寝苦しい、仕事のことが頭から離れずに寝付けない、あるいは寝る直前まで持ち帰った仕事をしている……という人は、脳が一種の興奮状態になっています。この場合、有効なのは自律神経の調整。“リラックスの神経”である副交感神経を優位にして、筋肉や脳を緊張状態から弛緩した状態へと持っていきます。
一番簡単な方法は、自分が心地良く感じる温度の風呂に浸かることです。水の浮力も手伝い、心身ともに緊張から解き放たれます。また、寝る直前に、ベッドの上でできる簡単なストレッチを行うのも効果的です。種目は自分が気持ちいいと感じるものであれば、何でもOK。この時、痛みを感じるまで伸ばすのではなく、「伸びていることが気持ちいい」と感じる範囲で伸ばすのがコツ。夜のストレッチは、副交感神経に優位にするだけでなく、体に意識が向くため、頭が切り替わり、仕事のことを忘れられるという効果もあります。
逆に、効果があるようで効かないのがアルコール。「眠れないからアルコールを飲んで寝よう!」と酔っぱらうまで飲むと、入眠はしやすくなりますが、睡眠は浅くなり、途中で目が覚めることも。また、翌日、体力も回復する感覚のある人もいますが、実はアルコールによって脳が騙されているだけ。実際には疲労は抜けていないので、根本的な睡眠不足の解決にはなりませんよ。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)