割れない腹は「ありません」 夏までに“脱げる腹”にする、最強の腹筋4種目はこれだ
「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお答えする。11限目のお題は「夏までに腹を割る方法」について。
連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』11限目」
「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお答えする。11限目のお題は「夏までに腹を割る方法」について。
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Q.いよいよ夏が近づいてきたのに、腹がヤバいです。今から始めても、真夏までに腹を割れる筋トレメニューを教えてください。
夏が近いと、多くの雑誌で腹筋特集が組まれます。雑誌をめくるとかなりの種目数が掲載され、「これをすべてやらなければならないのか!」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
一つひとつの種目を見ていくと、どれも正解ではありますが、同じ筋肉を鍛える種目がいくつも掲載されていたりします。同じ部位を多数の種目で刺激するのは、効果もなくはないですが、無駄もあります。夏は目前に迫っているだけに、どのパーツを鍛えれば良いのかを理解し、明確にターゲットを絞って、効率の良いプログラムを作った方がいいです。
今回は、誰もがいい仕上がりを実感できる“シックスパック”を作ることを目標に、メニューを考えます。
シックスパックを目指してトレーニングを組む際、腹部の中央を走る腹直筋(上部・下部)、サイドにある外腹斜筋上部と前鋸筋、そしてウエストを引き締めてくびれを作る腹横筋や腹斜筋群の3パーツに分けて考えます。
腹直筋上部は、脂肪が薄く、割れやすいパーツなので、速く効果を実感できます。また、大胸筋下部と隣接しているため、ここを攻めると胸の輪郭も深く刻むことができます。すると、胸がくっきりして絞れた印象になり、また大胸筋の盛り上がりを演出することでたくましさもアピールできます。しかも、人の目がいきやすいボディのど真ん中。いい体を印象付ける最重要エリアといえます。
体作りのプロにとって、腹直筋上部を仕上げてくるのは当たり前。「イイ感じに仕上がっているな」と印象付けることができるか否かは、外腹斜筋上部や前鋸筋の仕上がり具合です。見た目で言うと、脇の下から胸の下にかけてのシックスパックに向かって斜めに入るエリア。ちょうど肋骨にかぶさるあたりです。ここが絞れてくると胴体のサイドに影が入り、シックスパックがより際立ちます。同時に、相当引き締まった体もアピールできます。
また、いくらシックスパックのエリアを鍛えても、腹、ウエストが太いようでは美しく見えないことがあります。体は全体の印象もとても重要で、両肩とウエストの3点が作る逆三角形のシルエットは、美しく見せるためにとても重要なのです。
例えばプロレスラーの体は、若干、腹も割れているが、胴は太い。強い体作りとしてはいいですが、引き締まった印象ではありません。女性だけでなく男性も、くびれ作りは、美しい肉体作りの必須。その肝となる腹横筋や腹斜筋群を攻めて、ウエストのサイズダウンを狙います。
逆に外腹斜筋の下部をデカくすると、胴体が太く見えます。具体的に言うと、ウエストラインの下、左右の骨盤の上です。体を強く捻るとデカくなりやすいので、スポーツ選手には、ボコンと飛び出ている人が結構います。私の中では、現役時代の魔裟斗氏や中田英寿氏の体が印象に残っています。こちらも、強い体幹を手に入れるためにとても重要でほとんどのアスリートは鍛えますが、ボディメイク的には注力する必要は少ないです。
もちろん美の基準は個人の主観によるので、本来はどこをどう鍛えて、どうデカくしても自由です。しかし、本稿では、ボディメイク系のコンテストで用いられている考え方(基本的には美しさを競っている)を採用しています。私はすべてのトレーニングを愛しています。誤解なきよう!