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なぜ、市民ランナーの脚は止まるのか 青学大トレーナーが語る“2つの落とし穴”とは

「スタートからの30キロ」と「30キロ走ってからの12キロ」は別物

【原因<1>オーバーペースで走ってしまった】

 フルマラソンの場合、息が苦しくなったり、脚が止まったりするのは、30キロを過ぎたあたりです。本番前に30キロ走を行う人も油断禁物。「30キロを走り切れたタイムならフルも行けるだろう」という考えだと落とし穴にはまります。「スタートからの12キロ」と「30キロ走ってからの12キロ」とは別物。そこに至る30キロ以上に苦しく、長く感じるもの。体のダメージも大きく突然、ガクッと脚にきます。

 最もオーバーペースになりやすいのが、気持ちが高揚するレースの序盤。その時は気持ちが良く「調子がいい」と錯覚しますが、後々にダメージが襲ってくるので要注意です。また、練習時と同じペースなのに苦しくて失速する場合は、もともとの設定タイムがオーバーペース、あるいはその日のコンディションが、設定タイムについていけなかったかもしれません。

 ちなみに、ふだんから10、20キロ走っているのに、立ち上がり(1、2キロ程度)から前進できないほど脚が痛かったり息が苦しかったりする場合は、明らかに変調をきたしています。直ちにレースを中止してください。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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