なぜ、市民ランナーの脚は止まるのか 青学大トレーナーが語る“2つの落とし穴”とは
「スタートからの30キロ」と「30キロ走ってからの12キロ」は別物
【原因<1>オーバーペースで走ってしまった】
フルマラソンの場合、息が苦しくなったり、脚が止まったりするのは、30キロを過ぎたあたりです。本番前に30キロ走を行う人も油断禁物。「30キロを走り切れたタイムならフルも行けるだろう」という考えだと落とし穴にはまります。「スタートからの12キロ」と「30キロ走ってからの12キロ」とは別物。そこに至る30キロ以上に苦しく、長く感じるもの。体のダメージも大きく突然、ガクッと脚にきます。
最もオーバーペースになりやすいのが、気持ちが高揚するレースの序盤。その時は気持ちが良く「調子がいい」と錯覚しますが、後々にダメージが襲ってくるので要注意です。また、練習時と同じペースなのに苦しくて失速する場合は、もともとの設定タイムがオーバーペース、あるいはその日のコンディションが、設定タイムについていけなかったかもしれません。
ちなみに、ふだんから10、20キロ走っているのに、立ち上がり(1、2キロ程度)から前進できないほど脚が痛かったり息が苦しかったりする場合は、明らかに変調をきたしています。直ちにレースを中止してください。