20代で糖尿病予備軍に「膝が痛い」 テレワークで増加「座っている時間」の危険
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「テレワーク化で伸びる『座っている時間』の危険」について。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「テレワーク化で伸びる『座っている時間』の危険」について。
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先進国では日本人が最も座っている時間が長い、という統計があります。コロナ禍をきっかけに急速に広がったテレワーク化は間違いなく、今後、さらに拡大。業種によっては在宅勤務が当たり前の形態になり、日本人の「座っている時間」はさらに伸びていくでしょう。
私はこの働き方の変化がもたらす大きな健康問題の一つに、「変形性膝関節症」があると考えます。
変形性膝関節症の原因は、ひざの軟骨の損傷です。
ひざ関節や股関節は、関節を覆う筋肉や靭帯に支えられ、安定しています。
また、ひざの軟骨は、ひざを曲げたり伸ばしたり動かすときに、新陳代謝が繰り返されます。これは、ひざの軟骨が押しつぶされたり、圧から解放されたりすると、コラーゲンやプロテオグリカンといった、軟骨成分を吸い上げるため。水をたっぷりいれたバケツのなかで、スポンジをギュッと握りつぶすと水が外に出て、手をはなすと水を吸い上げますよね? その仕組みと似ています。
しかし、生活のなかで歩く時間が減ると、使われない下半身の筋肉はそぎ落とされます。筋肉が落ちれば、ひざ関節や股関節を支える力が弱くなり、骨がずれたり、骨と骨がぶつかったりして、痛みを発症。また、「ひざが痛いから」とさらに歩かなくなれば、ひざの軟骨はますます栄養を吸収しなくなり、新陳代謝も落ちてしまいます。