動いてないのにテレワークが疲れるワケ 自宅作業の効率を上げるヒントは「寝る」環境
「脳の整理機能」はテレワークからくる疲労にもつながり
この話、実はテレワークからくる疲労にもつながってきます。
パソコン作業が中心の仕事でも、会社で作業しているときは様々な刺激が脳に与えられます。出勤時には色々な光景や場面見たり、音を聞いたりしますし、会社では人と接触し、挨拶や話をします。誰かが買ってきたコーヒーのよい香りが漂ってくることもあるでしょう。毎日、同じことの繰り返しに思えても、これらはすべて脳の刺激になっています。
でも自宅で仕事をしていると、ずーっと変わらぬ環境下で物事が進み、インパクトがある出来事などそうそう起こりません。するとどうなるのか? 脳科学の先生曰く「脳が、何を記憶し、削除するのかがわからなくなり、だんだんと記憶ができなくなってくる、覚えられなくなっていく」そうです。
すると、次第に仕事の効率が上がらなくなり、うまくいかないことで、フラストレーションもたまっていきます。その上、座りっぱなしで肉体的疲労感がないため、眠れなくもなる。そうなると、脳が記憶を整理し、リカバリーする時間さえなくなってしまいます。結果、肉体的には疲れていないはずなのに、「眠れない」「疲れが取れない」という状態になるそうです。
もしも体の疲れが取れないな、仕事のパフォーマンスが落ちてきたな、と感じたら、まずは睡眠の環境を見直しましょう。そのうえで、どうも眠れない、眠りが浅い気がすると感じる方は、ぜひ、体を動かしてみてください。
「疲れているのに運動をしたら、余計に体が回復しないのでは?」と感じるかもしれませんが、この場合は逆です。肉体的に疲れると深い睡眠につながるうえ、適度な運動は脳の刺激にもなります。どんな運動でもOKですが、軽く汗をかくぐらいの早歩きやジョギングを一日15~30分程度、毎日するのがおすすめ。特にテレワークなどで家にこもりがちの方には、外気や景色も刺激になるので、疲労回復に効果的です。
長時間、パソコンと格闘するビジネスマンにとって、睡眠も運動も、疲労から回復し、仕事のパフォーマンスを上げるにはなくてはならないものです。自分が快適に毎日を過ごせるよう、運動のある生活サイクルを始めてみてください。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)