気分転換が難しい自粛生活 名トレーナー推奨「誰でもできるストレス処理法」とは
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「自粛生活でオススメするマインドフルネス法」について。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「自粛生活でオススメするマインドフルネス法」について。
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コロナ禍によって全国的に夜間の行動の制限が続くなか、ストレスを発散できる機会がない、と感じている方はたくさんいると思います。以前は仕事で嫌なこと、辛いことがあっても、仕事終わりに気の置けない同僚と飲みに行く、友人とお茶をするなどで会話を楽しんだり、スポーツクラブやバッティングセンターで汗を流したり、あるいは映画館で日常空間から離れたりと、皆、様々な方法で自然にストレスマネジメントができていました。しかし、夜間には店が閉まり、人との交流や、人の多い場所に足を運ぶことを避けるようになり、今までと同じ方法での気分転換が難しくなっています。
気分転換ができないと、頭がストレス要因から離れられず、ネガティブな出来事や考えが、心の中にどんどん溜まっていきます。ベッドに入っても取引先、上司や同僚から言われた言葉や仕事でのミス、やり残したことなどが気になり、「なぜ、あんなことを言われたのか」「どうしてうまくできなかったのだろう」「明日、これをやらなければいけない」などと考え始め、眠れなくなる。すると、心だけでなく体の疲れも取れなくなり、仕事のパフォーマンスが落ちたり、心身の調子を崩したりします。
このような日々が続く人に試して欲しいのが、「マインドフルネス」です。
「マインドフルネス」と聞くと、グローバル企業が取り入れている瞑想法という印象からか、「難しそう」と身構える方が多くみられます。ですが、実は誰でも簡単に実践できるストレスの処理方法の一つなのです。
皆さんが「できない、無理でしょ!」と感じる理由は恐らく、マインドフルネス=「瞑想」とか「無になる」とイメージするからではないでしょうか? それはまったく思われる通りで、何の修行も経ずに、ただ座して、瞑想するなんてできなくて当たり前です。でも、「マインドフルネス」はそもそも、「頭を空っぽにして無になる」ためのものではありません。端的に説明すると、例えば、静かに座って、「腰が痛いな」「肩が張っているな」と感じたり、繰り返す呼吸音や、外の風の音、雨の音などに意識を向けたりする。そうやって、自分の体や周りの環境に意識を向けましょう、その間は、嫌なことや不安から離れられますよ、という技法です。
「マインドフルネス」は私も、アスリートを指導する現場で採用しています。アスリートはもちろん、強靭な心身の持ち主ではありますが、彼らの日常はうまくいかないことの連続です。練習やトレーニングがイメージ通りにできなかった、目標値に届かなかった、試合で力を発揮できなかった、負けてしまった……。そもそも人が簡単にできないことを、何とかしてやり遂げよう、到達しようとするのがアスリートです。うまくいかないことなど、山のようにあります。
しかし、「うまくいかないかもしれない」という不安を抱えながらも、彼らは次の日も練習をしなければいけない。そんなネガティブな感情や考えに捕らえられたときに、ただ座り、目を閉じて、「マインドフルネス」を行います。