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痩せたい人あるある なぜ、ダイエットグッズは買うと満足してしまうのか

どうして「物を買う」という方向に走ってしまう?

 そもそも、どうして「物を買う」という方向に走ってしまうのでしょう?

 確かに、縄跳びもダンベルもバランスボールもよいものです。しかし、人やメディアを通じて「効果がある」とオススメされたりすると、本来の価値以上に「すごくいいモノ」に見えてしまうことがあります。「巻くだけでお腹の脂肪がとれる」とか「2週間、食事に置き換えるだけで-5kg!」とか、特にダイエットに関係する情報や商品は過剰な謳い文句がつきものですが、ついつい乗せられて、手を出してしまう人は大勢います。「グッズの力を借りれば、自分の力だけでやるよりも早く、効果的に結果を出せそう」。そんな期待感から、思わず手を出してしまうのでしょう。

 先日、「自宅トレーニング特集」というテーマで取材を受けました。この企画では、トレーニング愛好家の一般人から体の専門家まで、さまざまな人に自宅でのトレーニング内容を特集。取材に訪れた記者の方が、「トレーニングの専門家の家にはグッズがほとんどなく、自体重でトレーニングをしている。一方で一般のトレーニングマニアの方の自宅にはダンベルやチューブ、人によっては本格的なトレーニングマシンまでと、いろいろなツールやイクイップメントが揃っている傾向があり、非常に面白かった」と話していました。

 記者の方が気づいた通り、トレーニングは知識があれば物を使わなくても一通りできます。グッズがないと効果的に鍛えられないと思われがちですが、私自身も使うのはイス、ソファ、ストレッチポールぐらい。体一つを重りにすれば、十分に鍛えられます(もちろん、ボディ系のコンテストに出られる方などは異なります)。体の専門家が、本や動画などで提案する自体重のトレーニングをみれば、道具いらずの種目の多さに驚くでしょう。

 いつも言いますが、世の中には誰もが楽に痩せられる、魔法のような方法はありません。縄跳びやダンベル、バランスボールなどを使ったとしても、5回、10回続けた程度では、期待しているほどの効果は得られない。痩せようと思うならば、やはり、ある程度の期間、回数やセット数をこなし、積み上げていかないと成果は出ません。ダイエットには苦しみや努力を伴うし、成果を出すにはそれなりの時間がかかることは大前提。だからこそ、楽しめる運動を見つけることがとても大切なのです。

 運動そのものが「面白い」と思うか、もしくは痩せる、うまくなるなど「運動の効果を実感」できるか。人はこの2つ、またはこの2つのいずれかを得ないと、自発的に運動を継続することができません。ですから、どんなによいグッズを手に入れても、そのグッズを使った運動に楽しみを見い出せなければ、ダイエットは成功しないのです。

「せっかく買ったのにもったいない」という気持ちもわかりますが、始められないものに固執しても、ダイエットは永遠にスタートできません。気持ちを切り替えて、自分が楽しめそうな運動やスポーツを見つけてください。もちろん、「楽しそう!」と思えるなら、グッズから入るのもアリですよ!

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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