どうすれば、お父さんは運動会で転ばないのか 陸上トップ選手が勧める“時短トレ”
親子に推奨…「その場連続ジャンプ」で接地の「0.1秒の感覚」を理解する
伊藤氏は「親子一緒にやるといい」と、その場での連続ジャンプを勧める。「第1段階は、まずはジャンプと走りの共通点を理解してほしいです」といい、ジャンプが必要な理由について説く。
「足が速い人と遅い人の大きな違いの一つは、足が地面についている時間です。トップスプリンターの接地は0.1秒ほどで、その場でポンポンと連続ジャンプをしている時間と同じくらいです。足が速い人はジャンプと同じ要領で走っていますが、『前に進みたい』『力を出したい』と思うほど、ぐーっと力んで、発揮時間が長くなりがちになります。しかし、いい走りの力の発揮はそうではないのです。軽快なジャンプをすることで接地時間が短いことをイメージして、0.1秒の感覚を確認してみるといいです。そうすると、ダッシュの質も変わります」
さらに「第2段階は頭で理解した上で“ビヨーン”と跳ぶ」。ポイントは以下の通りだ。
「トランポリンの上で弾んでいるような感覚。ビヨーンと跳ね返ってくる感じです。かかとはつかない意識で、下から上方向に跳ぶのではなく地面に落ちてきた身体を一瞬で跳ね返すことを意識するといいです」
そして、ここまででも十分というが、さらに上手にできるお父さんは、第3段階を勧める。それが「腕振り」だ。
「跳ぶ時に腕を振ってほしいです。ただし、これが難しいんです。タイミングがずれるとビヨーンというジャンプが崩れる。ブランコを強くこぐ時と一緒で、腕が一番下を通過するその一瞬に力を入れる。そのタイミングと足が地面につくタイミングを合わせる。するとキレイに高く跳ぶことができ、腕振りの力発揮の感覚が理解できるようになってきます。」
走りも腕振りも力の発揮時間とタイミングが重要になる。どちらも、それは一瞬。決して力んで走ることが正解ではない。ジャンプから、その感覚をつかんでいくといいだろう。
【その場連続ジャンプのポイントまとめ】
・足が速い人の接地時間は0.1秒程度
・連続ジャンプで0.1秒の感覚を理解する
・トランポリンの感覚で“ビヨーン”と跳ぶ
・かかとは地面につけない
・できる人は腕振りを加える