「時間は多いようで少ない」 日本の司令塔・富樫勇樹が描く東京五輪までの青写真
「全員の認識の足並みが揃えば、すごく良いバスケットボールができると思う」
では、富樫はラマス新HCと新たなバスケットボールにどのような印象を抱いているのか。
「監督は“日本人らしさ”についてよく話しています。40分間戦い続けるひたむきさは、世界で最も優れていると。勝ち負けもあるだろうけど、そこはやめずに全力で取り組んでいこう、そうすれば良いことが起きると言ってくれているので、信じてやっていきたいです。新しい監督になって2週間、全員がすべてを理解し切れているわけではありませんが、認識の足並みが揃えば、すごく良いバスケットボールができるんじゃないかと思います」
ラマスHCの推し進めるスタイルをすべて把握する時間的余裕がないことを認めつつも、HCやチームメイトと過ごす新たな環境に手応えを感じているようだ。
富樫は第2戦が行われた30日、24歳の誕生日を迎えた。2019年のFIBAワールドカップや、2020年の東京五輪を見据えると、間違いなくチームの中心を背負わなければいけない選手だ。本人もそれは自覚しているようで、自分なりの青写真について口にしている。
「東京オリンピックまであと3年ということで、(残された)時間は多いようで少ないと感じています。焦りではないですけど、1日1日を大切にしていかないと。FIBAランキングが上だから負けていいという気持ちになったら今後はないし、どの相手が来てもチャレンジする気持ちでやりたい。個人としても、チームとしても、ステップアップできる年にしたい」
新たな一歩を踏み出した「AKATSUKI FIVE」(男子日本代表)。世界への扉を切り開くにあたり、富樫の力は必要になるはずだ。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer