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金メダル以上に求めるもの 女子ソフトの天才打者、東京五輪への想いとは

2020年東京五輪で採用が決まったソフトボール。3大会ぶりとなる世界の祭典での復活は、ソフト界全体の悲願でもあった。もちろん、それはプレーヤーにとっても同様。08年北京五輪で金メダルを獲得した山田恵里外野手(33)が、その一人だ。3年後に迫った夢舞台に向け、「金メダル以上に求めるもの」を明かした。

北京五輪主将で金メダルの「女イチロー」が求める「頑張る意味」

 2020年東京五輪で採用が決まったソフトボール。3大会ぶりとなる世界の祭典での復活は、ソフト界全体の悲願でもあった。もちろん、それはプレーヤーにとっても同様。08年北京五輪で金メダルを獲得した山田恵里外野手(33)が、その一人だ。3年後に迫った夢舞台に向け、「金メダル以上に求めるもの」を明かした。

 08年の北京の豊台ソフトボール場。歓喜の輪の中に山田はいた。主将を務め、決勝で米国を3-1で撃破。「振り返って一番印象に残っているシーン」という自身の本塁打で初の金メダルに貢献し、日本に熱狂をもたらした。準決勝から2日で3試合を投げ、「上野の413球」と呼ばれた鉄腕エース・上野由岐子を中心とした日の丸戦士にファンは心打たれ、国民的英雄となった。

 山田は9年前の夏を振り返る。

「3位と1位の差は、すごいんだなと。自分の中の意識は変わってないけど、勝つことであんなにいろんな人が喜んでくれるんだとすごく感じた」。初めて出場した4年前のアテネでは銅メダル。同じメダルでも「銅」から「金」に色が変わることで、自分が想像もできないほどの人を勇気づけ、感動させた。五輪のすごさを身をもって実感した。

 しかし、この時、熱狂の裏で冷酷な現実を突きつけられていた。当時、「最後の金メダル」と報じられた。すでに北京五輪以降、競技から除外されることが決まっていたからだ。金メダルの余韻が覚めると、心にぽっかりと穴が開いたような気分になった。

「ソフトボール界にとっては、五輪が一番大きな舞台。それがなくなってしまって……」

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