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五輪のマラソンを見て走りたくなった人へ 家を飛び出す前に知っておきたい注意点

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。陸上はスプリント指導のプロ集団「0.01 SPRINT PROJECT」を主宰するアテネ五輪1600メートルリレー4位の伊藤友広氏と元400メートル障害選手でスプリントコーチの秋本真吾氏が、走りの新たな視点を提案する「走りのミカタ」を届ける。

運動不足の人が走る際に気をつけるべき点とは【写真:Getty Images】
運動不足の人が走る際に気をつけるべき点とは【写真:Getty Images】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#87

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。陸上はスプリント指導のプロ集団「0.01 SPRINT PROJECT」を主宰するアテネ五輪1600メートルリレー4位の伊藤友広氏と元400メートル障害選手でスプリントコーチの秋本真吾氏が、走りの新たな視点を提案する「走りのミカタ」を届ける。

 第7回は「マラソンを見て走りたくなった人たちへ」を前後編でお届けする。7日と8日に行われ、男女ともに入賞で盛り上がったマラソン。ランニングブームが日本でも起こる中、普段は走りと縁遠い人も感化され、「走りたい」と思った人がいるだろう。しかし、運動不足である人が走る際は気をつけるべきことがあるという。前編ではその理由と注意点、そして「走り」の効果を探る。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

 五輪最終日、男子で幕を閉じたマラソン。女子は一山麻緒が8位、男子は大迫傑が6位入賞を果たした。五輪を視聴すると、「ちょっと走ってみよう」と刺激を受けた人も少なくないだろう。なぜ、人はマラソンを見ると走りたくなるのか。

「理由の一つとしては生き生きとしたアスリートを目にして、自分の健康状態を考えたり、ちょっと運動を楽しみたいと思ったり、そういうマインドになった時、最も手軽に、参入障壁が低くできるのがウォーキング・ジョギングじゃないかと思っています。ただし、いろんな研究データを調べる中で最も大きな問題が、その人の目的と違った運動を、違った強度で行ってしまう事例が多くあるのではないかということです。

 例えば、痩せたいなら本来は運動強度の高い運動、走りならダッシュが最適。一般的には高強度のサーキットトレーニングなどが痩せる運動としてトレーニングジムで多用されています。そういう無酸素運動の組み合わせが最も脂肪燃焼には効果が高いと言われています。しかし、痩せることを目的にした人がすごくゆっくりなスピードで歩いたり、長~く走ったりしても、痩せないことはありませんが、最も効率的とは言えません。

 逆にたまにしか運動しない人、例えば運動を週1回する人がいきなり『なんとかしたい』と気持ちが先走り、1回あたり30分以上のジョギング・ランニングをやってしまったとします。すると、脳内にコルチゾールというストレスホルモンが出て、運動そのものがストレスになったり、それによって逆に太りやすい体質になったりするデータも出ています。毎日のように30分以上走っている人なら、あまり問題はないのですが」(伊藤)

 運動と強度。「2つの選択」を誤ると高まるリスク。そもそも、走りは強度によって名称が変わる(カッコ内は1分あたりの心拍数目安)。

○ウォーキング 健康増進・ウォーミングアップ・クールダウンを目的に会話しながらでも走り続けられるペース(最大心拍数の50~65%)
○ジョギング 健康増進・トレーニングへの移行を目的に会話できるかどうかギリギリのペース(同65~75%)
○ランニング トレーニングを目的に息が弾む・息切れするくらい(同75%~90%)
○スプリント 健康増進・トレーニングを目的に全力疾走に近いスピード(同90%以上)

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