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ラグビー日本代表に何が足りなかったのか 過去最高レベルのW杯8強、死闘に見た「世界との差」

次の4年間で取り組むべき日本の課題は見え始めている

 このようなキャッチングの技術を見ても、日本代表にはまだ改善の余地はあるだろう。アルゼンチン戦では、接点で重圧を受けて日本代表らしいテンポのあるアタックは思い描いた通りにはできなかった。そして防御の破綻。プール戦敗退後の記事でも指摘したように、戦術の完成度は4年間という強化スパンで見れば時間不足だったと感じている。

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 日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事は、新体制での日本代表の始動については「本格的に動き出すのは来年の春以降だし、(新体制の決定は)急ぐものではない」と語っているが、4強進出チームが準々決勝で見せた強固な防御と、少ない攻撃回数でスコアまで持っていける決定力を身に着けるための時間を考えれば、4年間はそう悠長にしてはいられないだろう。

 これからジェイミー体制によるフランス大会までのリポートが作成されるだろうが、同時に新体制でのフランス大会の検証と、新たなチーム作りのためのリーグワン等での選手のセレクションと、着手するべき課題は見え始めている。明日から即刻、強化を再開しろとは言わないが、勝ち続けているチームよりも早く、次への準備に着手できるのは敗退したチームのメリットだ。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)


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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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