ラグビーW杯

　ラグビーワールドカップ（W杯）フランス大会に出場中の日本代表は4日、ベースキャンプ地のトゥールーズで練習を公開した。8日のアルゼンチンとの1次リーグ最終戦（ナント）に勝てば、2大会連続の決勝トーナメント（T）進出。WTB松島幸太朗は練習後に会見に応じ、相手のキック戦術への対応など決戦の警戒ポイントを挙げた。

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　松島は落ち着いていた。会見では時折笑顔を見せ、穏やかな口ぶりで心境を吐露。「あまり不安はないですし、みんな落ち着いてやっているように見える。緊張せずにやれている」。今大会は全3試合にフル出場。「フェラーリ」と称される快足で再三ボールを運んだ。しかし、トライはない。チームが勝てば誰が得点してもいいが、トライゲッターへの期待は大きい。

「そんなに甘い試合じゃないと思う。チームが勝てれば一番いいけど、トライは一つくらい取れればいいかなと思います。ここまでトライを取れるシチュエーションは何個かあった。そこの判断をしっかり信じてやりたいし、自分たちのスキルを信じたい」

　この日は冒頭約20分のみ練習を公開。長渕剛の「とんぼ」やアップテンポの曲が流れ、明るい雰囲気がつくられた。選手はストレッチなどで体をほぐした後、4チームに分かれてボール回しで競争。松島も素早いパスを繋げ、勝ち負けがつくと大盛り上がりだった。サモアとの前戦を右ふくらはぎの負傷で急遽欠場したSH流大は別メニュー。ジョグやパスなど軽めの動きで調整した。

　2007年大会3位、15年大会4位だったアルゼンチン。過去1勝5敗の日本は、1998年以来25年ぶりの勝利を挙げられるか。前回の対戦は20-54で大敗した2016年11月。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ（HC）の初陣だった。当時も主力だった松島は「僕たちはどうやってアタックするかというところ。あまり固まっていない中での試合で難しかった」と回顧。「今はみんな自分の仕事をわかっている」と違いを強調した。

　アルゼンチンは重厚なFWのほか、WTBエミリアノ・ボフェリのロングキックは要注意。ハーフウェイライン付近からのペナルティーゴール（PG）で3点を狙う可能性もあるため、日本は反則を与えないようにする必要がある。ハイボールの処理やスペースを狙われないよう、松島にはディフェンスとしても仕事が求められる。

「プレッシャー（相手からの圧力）があると思うので、それを受けずに自分たちからかけていく。個人的にはディフェンスが多くなると思う。相手はキックも多くなるので、どこに蹴ってくるかしっかり把握したい。相手からプレッシャーが来た時に壁をつくれるか。それが影響すると思う。ハイボールを取る人に場所をつくりたい」