キック94%成功・SO松田力也、新ルーティンの愛称要求 現状は恐竜ポーズ?「いい名前があれば…」【ラグビーW杯】
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に出場中の日本代表は30日、ベースキャンプ地のトゥールーズで練習を公開した。次戦10月8日にアルゼンチンとの1次リーグ最終戦(ナント)に勝てば、史上初となる2大会連続の決勝トーナメント(T)進出。SO松田力也は会見に応じ、状態や心境を明かした。
ラグビーW杯
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に出場中の日本代表は30日、ベースキャンプ地のトゥールーズで練習を公開した。次戦10月8日にアルゼンチンとの1次リーグ最終戦(ナント)に勝てば、史上初となる2大会連続の決勝トーナメント(T)進出。SO松田力也は会見に応じ、状態や心境を明かした。
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28日のサモア戦から2日、日本はこの日の現地時間正午過ぎから冒頭約15分のみ練習を公開。松田は松島幸太朗とペアを組み、ストレッチに励んだ。チーム全体でも笑顔が多く、リラックスした様子。右ふくらはぎの負傷で前戦を欠場したSH流大の姿はなかったが、それぞれが順調に調整を進めていた。
世界ランク13位の日本は第1戦でチリに快勝したが、第2戦で強豪イングランドに12-34で敗戦。第3戦でサモアを下し、2勝1敗で決勝Tに進出できる組2位に浮上した。同9位のアルゼンチンが30日のチリ戦に勝つと、日本との最終戦は勝った方が8強に駒を進める。
10大会連続10度目のW杯を戦うアルゼンチン。2007年大会で3位に入り、15年は4位、前回大会は1次リーグ敗退だった。キッカーを務める松田はサモア戦で1本外したが、今大会は16本中15本の成功率93.75%を誇る。会見ではキックのルーティンを変更したことを説明。周囲からは恐竜を模した「ティーレックス」と言われるそうで、五郎丸歩氏の“忍者”ルーティンのようにネーミングを求めた。
――キックがよくなった要因。
「(W杯開幕前のテストマッチの)イタリア戦まで自分のキックができていなかった。もう一度見直す中で距離感とか、自分のポイントを確認していたらずれていた。(周囲の助言は?)めっちゃあります。佐藤さん(トレーナー)がいてくれるので。どうやればどうなるか、自分をわかってくれている。もう一度、見直しました。遠征の中で体も変わってくるし、バランスや体の調整が大きい。そこが良い状態に戻ってきている。右肩が下がるので、そこをより意識するためにフォームを変えました」
――ショットクロックの導入された。感想と対処法があれば。
「モニターでカウントダウンされているのはW杯で初めて。でも、意外に気にならないと思う。ショットの方が気にしているので、(蹴るまでに)そんなに長くかからないタイプなので、そこは気にせずという感じです。(ショットクロックがなかった頃と変わらない?)そうですね、そんなに大しては」
――父への思い、どんなプレーを見せたいか。
「特別父親だけへの思いはないけど、いつも通りやってきたこと、自分たちのやるべきことをやって、それをやるために冷静に、まずは楽しむことをやりたい。あとは自信をもってやってきたことを出していい結果を出したい。僕は個人じゃなくてチームが勝つことが一番に考えている。ベスト8に行くことを誓いたい」
――ハーフ団への共通意識は。
「アタックの上で日本のテンポが大事。テンポがない時にコントールしないといけないし、テンポがある時にスピードを生かして相手にプレッシャーをかけていくことをこれまでやってきた。それがやっとこの大舞台でどんどん試合を重ねてよくなっている。それが9番、10番だけじゃなく全員が同じように、FWもBK一体になっているのが大事。それがうまくいけばたくさんトライを獲れるし、それが良い状態。チームとして共通理解としてイメージを持っていると思う」
――チリ戦前からキックのルーティンを変えた。
「右肩を落とさないのが僕の中ではキー。初めから構えた状態で肘を曲げる。肘が伸びると肩が下がるので、それを避けるために初めの状態を意識して、自分のポイントを意識するために構える。そこから自然と上げる形に。いきなり変えたけど、変えることに不安はなくて、そっちの方が絶対にいいと思った。なので、自信をもった結果、いいものができている」
――変えたことでの効果。
「今はそこをしっかりすれば絶対に決まると思う。他にもいろいろあるけど、プレッシャーをかかる場面でも自分を信じて蹴るだけ。そこのポイントがクリアになっているのが大きい要素だと思う」
――1本外したあとのメンタリティー。
「外したことはいいことではないけど、自分のキックができないと外れるのはわかっている。たくさん外してきたし、外し方を知っているからこそ、どうすれば入るかわかっているので、もう一度原点に戻って自分のルーティンをやって蹴るだけ。外したからそれを引きずることなく、良い形で切り替えられている」
――ルーティンは「小さく前に倣え」にも見える。周りから何かに例えられることは。
「小さく前に倣えは初めてです(笑)。マロ(レメキ)とかはティーレックスに似てるって言う。大学の同期から恐竜というか、『ガオー』って言われたり(笑)。自分の中ではそんなに特に意識はないです。良いネーミングがあればつけてほしいですね。前に倣えはちょっと……(笑)」
――チームを勝たせるSOになりたいと言ってきた。3試合を終えてそこへの思いは。
「この舞台で10番として試合に出て、チームを勝利に貢献することを19年大会が終わってから強く思ってやってきました。それが今、良い形でステップアップできている。ただ、3試合を終えて全部勝てているわけではない。サモア戦も苦しい展開になったけど、しっかり勝ち切れたのは自信になったし、チームとしても自信になった。
良い状態でアルゼンチン戦に臨める。自分たちがやってきたことを出せればどこの国にも負けない。自分たちの準備に対する姿勢、ラグビーに対する理解度は世界でもいいものを持っている。それをアルゼンチン戦で出して結果で示したい。まずは一日、一日を大切にしていく。それがゲームに出てくる。スタッフとメンバー33人、ここまで合宿してきたメンバー全員の分を背負って戦いたい」
――キック成功率、数字は気にしていない。
「一個、一個丁寧にやることが数字につながるし、それが一番勝利に貢献できる。そんなに気にせずに毎試合、毎回、毎回自分のキックを続けることをやるべきだと思う」
(THE ANSWER編集部)