2016-2017シーズンにリーグMVP獲得、サンウルブズでも戦った実力者

　ラグビーのトップリーグ（TL）第6節は22日、秩父宮ラグビー場でサントリーが日野に69-14で快勝し、4勝目（2敗）。勝ち点を21として暫定4位に浮上した。WTB中鶴隆彰は前半だけで3トライをあげてハットトリックを達成。3戦ぶりの出場でマン・オブ・ザ・マッチ（MOM）に選出された。

　久々の試合。中鶴がスピードで魅せた。前半11分、右サイドを駆け上がってトライを決めると、16分にも同じく右サイドから快足を活かしてトライ。とどめは33分、FB松島幸太朗からアシストを受け、前半だけでハットトリックを達成した。1月26日の神戸戦（ノエスタ）で脳震盪を起こして以来、実戦から遠ざかっていたが復帰戦でMOMを獲得。「体の調子が良くて、早く試合に出たいと思っていた」と万全をアピールした。

　チームが4度目の優勝を果たした2016-17シーズンには、17トライを挙げてリーグMVPを獲得。2017年にはサンウルブズで戦った実力を持つ29歳だが、昨秋のラグビーW杯日本大会は観客として快進撃を見守った。中でも印象に残っているのが、松島とともに「Wフェラーリ」と呼ばれたWTB福岡堅樹（パナソニック）の活躍だ。

　福岡とはサンウルブズでもチームメートだったが「絶対に向こうの方が速い」とそのスピードには舌を巻く。「世界を相手に活躍して、励みというか、すごいと思った。同じようになりたい」と刺激を受けている。

　中鶴はグラウンド外でも活躍中だ。「数少ない、試合に出る社員選手を目指している」と、普段はサントリーの社員として都内に勤務。ドラッグストア「ぱぱす」を専門で担当しており、新商品の提案なども行っているという。「おかげさまで」と売れ行きはいいようだ。

　久しぶりに中鶴を起用したミルトン・ヘイグ監督は「ハードワークして、スピードをしっかり生かしてくれた」と手放しで称賛した。昨季は2トライに終わった中鶴だが「すごい選手や大きな選手はたくさんいる。僕は足の速さだけに特化しようと」と自慢のスピードに磨きをかけてきた。「ウイングとしてトライをたくさん取りたい。いい準備をして次に臨みたい」と今季の大暴れに燃えている。