帰ってきた三菱重工相模原 39歳藤田幸仁が「もう1回」で掴んだトップリーグの舞台
W杯で盛り上がったラグビー熱を継続へ「より質の高いラグビーを見せられるように」
W杯が大成功で幕を閉じ、日本は空前のラグビー熱に沸いている。「10年前、20年前では考えられない状況。時は流れたなって思います」と笑うが、史上初の8強入りを果たした日本代表メンバーには「すごくラグビー選手の価値を上げてくれた」と感謝。それと同時に、ここからラグビー熱を持続させるためにトップリーグが果たすべき役割の大きさも感じている。
「ここへ来て、国内リーグは面白くないと思われたらもったいない。どんなにファンサービスをしても、試合が面白くなかったら、結局見に来てもらえませんから。代表レベルといかないまでも、より質の高いラグビーを見せられるように、国内ラグビーも面白いんだって思ってもらえるような試合をしていきたいですね」
会社や同僚のサポートを受けながら、今でも仕事とラグビーを両立させる毎日だ。企業ラグビーを題材とした人気ドラマ「ノーサイド・ゲーム」を見た時、自分の置かれた状況と「多少重ね合わせましたね」と話す。幸いドラマと違うのは、会社の全面サポートを受けている点だ。だからこそ「勝って報告したいですね。だいぶ期待してもらっていると思うので、勝つ姿を見せたい。それが一番の恩返しですから」と話す。
最後に、藤田の人生において、部活で始めたラグビーはどんな存在になったのか質問してみた。すると、こんな答えが返ってきた。
「どういう存在……今はもう、やり過ぎちゃっているんで、あって当たり前。生活の一部ですよね。う~ん、逆になくなったら鬱になるかもしれません(笑)」
ラグビーの魅力に取り憑かれた男の姿を、ぜひその目で確かめてもらいたい。
(10日の第2回はジャクソン・ヘモポが登場)
◆藤田 幸仁(ふじた・ゆきひと)
1981年1月12日、岩手県生まれ。177センチ、110キロ。ポジションはPR。宮古高入学後に部活動としてラグビーを始める。中大を経て、三菱重工相模原に入社。PRとして最前列でチームを支える。2007-2008シーズンに果たしたトップリーグ昇格を知る唯一の現役選手。39歳を迎える今季もチームの支柱として欠かせない存在だ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)