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帰ってきた三菱重工相模原 39歳藤田幸仁が「もう1回」で掴んだトップリーグの舞台

日本ラグビーにおける最高峰リーグ、ジャパンラグビートップリーグが12日、2019-2020シーズンの開幕を迎える。昨年のワールドカップ(W杯)開催に伴い、1月12日から5月9日までの期間に全16チームが総当たり戦を行い、優勝を争う。今季はトップチャレンジリーグから2チームが昇格。その1つが2007-2008シーズン以来、12年ぶりのトップリーグ復帰を果たした三菱重工相模原ダイナボアーズだ。「THE ANSWER」では、今季チームの鍵を握る3選手をインタビュー。第1回はPR(プロップ)藤田幸仁だ。

三菱重工相模原ダイナボアーズの藤田幸仁【写真:荒川祐史】
三菱重工相模原ダイナボアーズの藤田幸仁【写真:荒川祐史】

三菱重工相模原の最年長プレーヤーが抱き続けた「もう1回」の想い

 日本ラグビーにおける最高峰リーグ、ジャパンラグビートップリーグが12日、2019-2020シーズンの開幕を迎える。昨年のワールドカップ(W杯)開催に伴い、1月12日から5月9日までの期間に全16チームが総当たり戦を行い、優勝を争う。今季はトップチャレンジリーグから2チームが昇格。その1つが2007-2008シーズン以来、12年ぶりのトップリーグ復帰を果たした三菱重工相模原ダイナボアーズだ。「THE ANSWER」では、今季チームの鍵を握る3選手をインタビュー。第1回はPR(プロップ)藤田幸仁だ。

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 ◇ ◇ ◇

 現在のメンバーで12年前を知るのは、藤田幸仁が唯一の人物だ。2007年、藤田は入社5年目の26歳。念願のトップリーグに昇格したが、1勝も挙げられずに降格という悔しさを味わった。翌年から再びトップリーグを目指す戦いをスタート。そして、12年――。

「長かったですね~」

 そう豪快に笑いながら目を細めると、藤田は再昇格までの道のりを振り返った。昨シーズンの入れ替え戦で豊田自動織機シャトルズに31-7と圧勝して決めた、2007-2008シーズン以来のトップリーグ昇格。その前年までは6シーズン連続で入れ替え戦に出場しながら、あと一歩が届かなかった。さらに遡れば、降格した2008-2009シーズンから4シーズンは入れ替え戦にも出場できない時期を過ごしている。

 だが、この間、藤田の心に変わらずあり続けた想いがある。もう1回あの舞台でラグビーをしたい――。それだけだった。

「対戦相手は強いところばかりで、僕らが一番格下。全敗しちゃったんですけど、『俺ってラグビー選手だな』と感じられて、心地よかったんですよね。『もう1回あそこでやりたい』と思える場所だった。この12年、『もう1回』という想いが一番強かったですね。だから、早々に戻っていれば、もうとっくに引退していたかもしれません」

「もう1回」と想い続け、社員としての業務と練習を両立する日々。全力でスクラムの最前列を務め、地道にチームを支え続けてきたら、気が付くと39歳を迎える年になっていた。「ここまでやるなんて、ホント想像していませんよね」と照れくさそうに笑う。

 ラグビーに出会ったのは、地元・岩手の宮古高校だった。「部活だったので高校で辞めるつもりでいたんです」と言うが、才能を見抜いた高校の恩師に勧められ「言われるがままに(笑)」中央大学に進学。だが、大学ではやりきった感覚が得られず、「ここでラグビーを辞めたら後悔するな」と三菱重工相模原でラグビーを続けることにした。

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