カタールW杯・B組　イングランド―イラン戦

　サッカーのカタール・ワールドカップ（W杯）は21日、B組でイングランドがイランに6-2で大勝した。アディショナルタイム（AT）が前後半合わせて27分となった異例の一戦で白星発進。6点目を決めたFWジャック・グリーリッシュのセレブレーションには秘話があった。本人は少年と約束を交わす動画を公開。試合後に経緯を明かした。

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　ダメ押しの1点には想いが込められていた。グリーリッシュは後半25分に途中出場。5-1の同45分だった。右サイドを駆け上がったラッシュフォードからゴール前でボールを受け、流し込んだ。計6ゴールで大勝が決定的に。両手を広げながら肩を揺らすように踊り、喜びを表現した。

　試合後、グリーリッシュはツイッターにパフォーマンスの画像と少年ファンと話す動画を公開。「フィンリー、君にだよ」とつづった。英公共放送「BBC・マンチェスター」公式ツイッターは、試合後にグリーリッシュが取材に応じる動画を公開。こう明かしている。

「1か月前にフィンリーに会ったんだ。僕の妹と同じように、彼は脳性麻痺があって、セレブレーションをお願いされたんだ。それがW杯になるなんてね。これこそが全てだよ。セレブレーションをすることは、彼にとっては最高に嬉しかったと思う。特にW杯で、だからね」

　ここまで今大会はビール禁止問題や簡素なファンの宿泊施設などに批判の声が多く上がっているが、選手の粋な行動に称賛の声が上がった。グリーリッシュの投稿には、「アメージングだよ、ジャック」「まさに一流の振る舞いだ。彼にとって一生の思い出になったと思うよ」「美しい」「素晴らしい行いだよ」「あなたを誇りに思うわ」「英雄だ」と海外ファンからコメントが寄せられた。

　試合は前半10分にイランGKベイランバンドが自陣ペナルティエリア内で味方と接触。脳震盪による交代などがあり、AT14分という異例の長さに。選手の治療・交代に時間を要した後半もAT13分。前後半合わせて27分という異例の展開だった。