井上尚弥、卵1個のずれもない調整力 どんぴしゃ計量は19戦16度、衝撃KO生む自己管理
11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われるボクシング・ダブル世界戦の前日計量が6日、都内のホテルで行われた。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級(53.5キロ以下)決勝では、WBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)が53.5キロ、WBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)が53.3キロで一発クリア。当然のようにボクサーの義務を果たした裏に、井上はプロとしての意識の高さをうかがわせた。
世界戦は英国開催のロドリゲス戦を除き、世界戦11連続で計量をリミットパス
11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われるボクシング・ダブル世界戦の前日計量が6日、都内のホテルで行われた。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級(53.5キロ以下)決勝では、WBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)が53.5キロ、WBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)が53.3キロで一発クリア。当然のようにボクサーの義務を果たした裏に、井上はプロとしての意識の高さをうかがわせた。
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井上はいつも通り、自信を持って計量台に乗った。リミットちょうどの53.5キロがコールされ、両腕を上げてポーズを取る。約60キロから始まった減量。絞り切ったバキバキの体をアピールするかのように無数のフラッシュを浴びた。
これでプロ19戦目。当然、これまでに計量失敗は一度もない。そればかりか、井上はいつもリミットちょうどでクリアしてきた。19戦のうち、今回で16度目のリミットパスだ。「計量もお互い無事に済んで、お互いに最高の試合をするだけ。最高の気持ちです」と高揚感をにじませた。
前回5月に行われたエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのWBSS準決勝は、英グラスゴーでの試合だった。慣れない環境、かつ無敗王者の対決でプレッシャーもかかる。万全を期し、早めの減量で余裕を持って落としたことで、結果は100グラムアンダーだった。
この試合を除くと、今回のドネア戦を含め、世界戦では11試合連続で100グラムのずれもない。運動せずに何時間たてば、基礎代謝でどれくらい体重が落ちるかなどをイメージし、公式計量までに水を飲むなど微調整。研ぎ澄まされた感覚でわずか卵1個分のずれも許さず、多くの報道陣や関係者が待ち受ける計量を乗り越えてきた。